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部落問題資料室
NEWS & 主張
萩市が方向を示す
結婚相談所問題で中間集約

「解放新聞」(2008.11.03-2393)

 【山口】萩市が結婚相談所を開設し、申込者に戸籍謄本と運転免許証などの写しを提出させ、申込書に本籍、宗教、身体上の障害、家族とその職業までも記入させていた事件(237723782385号既報)で9月20日、これまでの確認をふまえ、市役所会議室で糾弾学習会をもち、野村興兒・萩市長が職員全員を対象に事件の問題点を8回にわたって説明。萩市人権施策推進連絡会議の設置、実態把握、職員研修、市民啓発、人権教育などで一定の方向が示されたごとを了とし、中間集約をおこない、今後は地元での協議をおこないながら具体化をすすめていくことを確認した。
  糾弾学習会には中央本部から橋本中執、山口県連から松岡広昭・委員長はじめ25人が参加。萩市から野村市長、岩崎肇・教育長など25人が出席した。
  冒頭、野村市長は、なぜ問題なのかを私が直接、8回にわけ話し、市報「HAGI」でもあらためて謝罪と問題点を示したことなどを報告。「2度と同じ過ちをおかさぬようつとめる」と決意も示した。
  橋本中執からは、過ちを認め対処したことは評価したい。9月30日付で法務省が「独身証明書」を正式名称としたことも示しながら、萩市独自の人権啓発推進指針を策定し、啓発の実施を▽隣保館できめ細かい対応ができる態勢を▽職員研修で当事者の声を聞き現地研修をと課題を提起。野村市長は、財政的裏付けもふくめ具体的に対応したい。隣保館でのきめ細かい福祉のとりくみについては意識が希薄だった。しっかり考えたい。ご指摘をしっかり頭にいれ、とりくみたいと回答した。
  また萩の郷土史教材から部落のとりくみが抜け落ちていることも指摘。郷土読本の見直しの時期でもあり、検討することになった。

人権意識の喚起図る
5項目の確認事項を実行へ

萩市結婚相談所問題で
  【山口】萩市結婚相談所問題の糾弾学習会(10月20日)では8月21日に確認した5項目の①萩市の人権・同和行政推進体制②市内の部落の実態把握と市民意識の把握③職員研修④市民啓発⑤人権教育のこれまでとこれからについての報告がおこなわれた。
  報告のなかでは、「萩市人権施策推進連絡会議」を6月に設置し、10月6日に第1回会議を開催した。構成は、総務部、総合政策部、保健福祉部など市長部局10部と教育委員会の主管課長を委員とする。今回の結婚相談所問題で、市内部の人
権意識が希薄であったことが明らかになったことやチェック機能が働かなかったことを反省し、庁内の連絡を密にし、市の事業での人権問題のチェック、情報交換および共有化を図る。
  部落の実態把握については、高齢者(独居者)などの割合が高いことから、経済状況などを注視しながら対策を講じていく。そのためにも隣保館職員の資質向上をはかるとともに、地域社会のなかで、福祉の向上や人権啓発、住民交流の拠
点となるひらかれたコミュニティセンターとして、各種相談事業や人権問題解決のための各種事業を総合的におこなう。さらに事業効果が得られるよう、実態把撞につとめ、市同和対策係との連携を密にする。
  市民の人権意識については、山口県実施の人権意識調査にあわせ、市独自のアンケート調査を実施し、今後の人権行政に反映する。
  職員研修については、市長が全職員に、戸籍などを提出させたことの問題点や部落問題の歴史的背景、人権問題のなかに埋没させてはならないこと、庁内のチェック体制に不備があったことなど、結婚相談所問題の問題点などを、9月24、25、29日の三日間、本庁で2回、6か所の地域総合事務所でおこない、人権意識の喚起を図った。さらに、人権研修を実施していく。
  人権教育についても、結婚相談所問題を具体的にとりあげ研修を実施し、学校教育にも位置づけをおこない、実践していく、ことなどが示された。


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