「解放新聞」(2008.12.01-2397)
さまざまな差別事件が発生しているが、なかでも差別落書、差別問い合わせの報告はあとをたたない。長野と京都の事象を掲載する。
「部落」「ぶらくみん」と
県立高校の配電盤・電柱に
【長野支局】「部落」「ぶらくみん」と、埴科郡の県立高校で、1学期の終業式の7月25日朝7時ごろ、教員が校内を見回ったときに、校内の配電盤や電柱7、8か所に黒っほいマジックらしきもので落書されているのを発見した。
落書は、人を中傷する内容や意味不明の言葉が書かれていたが、配電盤に20センチ×30センチぐらいの大きさの縦書きで「部落 sex for you きたれっぼ」、電柱にも同じ大きさの縦書きで「ヤイディ ぶらくみん」と、2か所は部落差別の落書になっていた。
学校は、ただちに県教育委員会へ報告するとともに、器物破損で警察に通報した。また、翌日から夏休みに入るため、事件を生徒に伝え、ホームルームでアンケートをとり、具体的なとりくみをすすめている。
北信地区協議会、坂城町協議会では、同高校、坂城町と連携をとり、この差別落書事件について話し合いをもち、課題を学校全体、町全体のものにし、さらに啓発を強めるとりくみをすすめている。
「部落かどうか教えて」
福知山市役所に電話で
【京都支局】「○○(地名)が部落かどうか教えてほしい」と、9月17日、福知山市役所に電話で結婚の身元調査と思われる事件が起きた。
電話は、女性から2回かかり、1回目は交換手が人権推進室につないだが、すぐに切れた。2回目は、人権推進室につながり、地名を告げ、「部落かどうか教えてほしい」といってきた。理由を聞くと「結婚を考えている」といい、名前を聞くと男性の名を出し、結婚を考えているので「部落かどうか知りたかった」とのべた。「教えられない」と答えると電話を切った。
府連では、「このような部落かどうかを問い合わせる事件は、全国的に起きている。福知山市だけでなく、どこでも起こりえることである。対応のマニュアル化など工夫も望まれるが、電話のために、相手に切られると手がかりもつかめない。闇から闇に問題などはほうむられてしまう。何とか工夫して事件の解明ができるようにしたい」とのべ、「本人の知らないところで部落かどうかを調べられ、部落民と分かれば忌避される。差別身元調査の「やり得」を許さないとりくみを」と訴えている。
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