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部落問題資料室
NEWS & 主張
識字の学びが絵本に
『ひらがなにっき』を発行

「解放新聞」(2009.01.12-2402)

 大阪・富田林から、絵本『ひらがなにっき』が誕生した。60歳をすぎてから識字に通い、読み書きを学んできた吉田一子さんの体験をもとにしたもので、地元の「若一の絵本制作実行委員会(代表・田村賢二)」が文章を構成。絵本作家の長野ヒデ子さんが絵をそえた。府の識字推進事業への補助金がカットされ学びの場存続が危ぶまれるなか、富田、日之出につづく絵本の出版はうれしいニュースだ。
  吉田さんは、現在83歳。子どものころ学校にかようことができず、読み書きを学ぶ機会がなかった。娘さんたちのすすめで識字へ。最初は教室に行きづらかったというものの、周りの応援で点線をなぞるところから勉強した。それから過1回のペースでかよい、孫に手伝ってもらいながら日記を書きためていったものが今回の絵本。絵本では、病院で初めて名前を書いてよばれたときのよろこびなど、文字を獲得していく日常が措かれている。吉田さんは、「80過ぎても勉強してるおばあちゃんもおるねんで、ということを子どもたちに知ってほしい」と話している。
  絵本は、地元の仲間が2年間かけて本文を作成。そこから長野さんが絵を仕上げ、4年越しに完成をみた。この出版を記念して、「字をにぎりしめて しきじ(識字)と絵本の出会い」がひらかれる。絵を担当した長野さんの講演のほか、ギャラリーでは原画展もひらく。主催する実行委では、各地の識字・日本語教室・夜間中学校にかよう人、絵本の読み聞かせなどの活動をしている人びとなど、幅広い参加で絵本の完成を祝うとともに、各地の識字活動の発展を祈念するつどいにしたいとよぴかけている。
長野ヒデ子さん講演とつどい『ひらがなにっき』原画展
日時 2月7日(土)午後1時半~4時
    原画展は午前10時~
場所 大阪市総合生涯学習センター
    (大阪駅前第2ビル5階)
問い合わせ 富田林若一の絵本政策実行委員会
        TEL 0721・24・3700

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