「解放新聞」(2009.03.23-2411)
石川さん、鎌田さんが訴える
中北弁護団事務局長は現状報告
大きな世論で裁判官が人間らしい判決を出すチャンスを
鎌田さんは、「石川さんはいまだに自由ではない。46年間無実を訴える人にたいし聞く耳をもたない国というのは、一体どういう国なのか」と問いかけ「石川さんだけでなく、再審を求める死刑囚も同じことだ。えん罪は証明されている。あるのは国家のメンツだ。こうした状況にたいして、大きな世論によって裁判官にまっとうな人間らしい判決を出すチャンスを与えることが必要だ。裁判官が一人の力で出すのではなく世論の力を背景にして出せるよう運動をつくっていきたい」と訴えた。
中北弁護士は、第3次再審請求の現状を報告し、狭山再審とえん罪の克服が大事だとして、氷見事件や鹿児島・志布志事件や無罪となった死刑再審事件の背景を説明。捜査でのえん罪の構造として、物証や客観的証拠にもとづく科学的捜査の無視や別件逮捕、代用監獄下の密室での自白の強要などを変えていく必要があると指摘した。狭山事件はえん罪の典型だとのべ、狭山再審闘争はえん罪をなくす司法改革実現の突破口だと支援を求めた。
石川さんは、「仮出獄して15年になる。社会生活は一人でもできるようになったが、やるせない気持ちになるのは、70歳になったが無罪が晴れないために全国を回らなければならないことと、そのために多くのみなさんにご迷惑をかけていることだ」と心境をのべ、「多くの署名をいただき門野裁判長ももう少しで動くと確信している。いっそうの支援を」と訴えた。早智子さんは、「46年間無実を訴えている石川一雄の声を聞いてくれて感謝している。彼には、いまも多くの人権侵害がつづいている。彼も70歳になった。どうしても生きているあいだに無罪をかちとりたい。みなさんの支援をお願いしたい」と訴えた。
つどいの冒頭では、実行委を代表して千葉進・県高教組委員長が「岩手の地からえん罪をはらすための運動をすすめていきたい」とのべ、連帯あいさつをした連合岩手の砂金文昭・会長は「46年間、差別に抗し人間らしく生きようとする権利を守りつづけてきた。勇気づけられる思いだ。今日のつどいは、行動するたしかなヒントを与えられるだろう。連帯していきたい」とのべた。また、平和環境県労組センターの来内広幸・議長は、「狭山事件は国家的な犯罪といっても過言ではない。刑事司法で国家的な誤りがあったとすれば、それを民主的に糾していくのも私たちの任務だ。えん罪が生まれない社会のために頑張っていく。元気のみなもとはみなさんの支援だ」とのべた。
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