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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

いっさいの油断を排して
40日間の総選挙闘争を全力で闘いぬこう
「解放新聞」(2009.08.03-2430)

 7月21日に衆議院が解散された。朝令暮改の麻生総理が唯一有言実行した政治約束ではあるが、命名のしようがない「蟻地獄解散」とでもいうべきものであった。
  総選挙日程は、8月18日公示、30日投票と決まった。1週間余りも前からの解散予告も異例ではあるが、解散から投票まで40日間という総選挙闘争期間も戦後最長という異例の長さである。異例ずくめの解散・総選挙は、政権交代への歴史的な序章であるかもしれない。
  解散翌日の22日の新聞各紙は、解散・総選挙に関して一斉に社説を掲載した。5大紙の見出しは、つぎのように躍っている。「大転換を託す政権選択」(朝日)、「政権交代が最大の焦点―ごまかさない公約を」(毎日)、「政策本位で政権選択を問え」(読売)、「国のありよう競い合え―政権担当能力が判断の基準」(産経)、「政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を」(日経)。
  私たちも、まさに今回の第45回総選挙は、政権交代の絶好の機会であると考えている。とりわけ、小泉政権以降の「戦争ができる国」と新自由主義・市場原理主義にもとづく政治・経済路線が、弱肉強食の格差社会をつくりだし、人間のつながりをバラバラにしていく過酷な競争主義を煽り、差別や人権侵害を生み出す深刻な社会不安をまん延させている。
  私たちは、「人間の尊厳と生存権」をふみにじるこのような政治・経済・社会状況を敢然として拒否し、人権・平和・環境を社会的価値観や規範として基軸に据えて政策展開するような政権へと転換させなければならない。

 マスコミ各社は、今回の総選挙で現行の自公政権から民主党を中心とする野党政権へと交代する可能性が高いことを共通して指摘している。世論調査では、自民党への支持率よりも民主党への支持率が一貫して高いことを報道している。週刊誌などでの300選挙区での当落予想では、民主党の圧勝、自民党の惨敗が既定の事実のように報じられている。現実に、最近の東京都議選をはじめとする自治体首長選挙で民主党推薦候補が6連勝したという事実が、総選挙でも同様の結栗になるのではないかとの期待を抱かせている。
  しかし、マスコミの世論調査に一喜一憂してはならない。私たちは、マスコミ各社の世論調査などを参考にしながらも、「風が吹いている」などという上滑りや油断を厳しく戒めて、政策協定を績んだ全推薦候補を確実に当選させるための地道な選挙活動を積み上げていくことが重要であり、政策協定の内容を国政で実現させていくことこそが肝要である。
  政策協定は、基本的に6項目からなっている。その概要は、①憲法や同対審答申などの基本精神をふまえた部落問題の根本的かつ速やかな解決にむけた国政活動の展開②国内人権機関の創設を含む「人権侵害救済に関する法律」の早期制定③「人権教育及び人権啓発推進に関する法律」の積極的な具体化と推進④人権行政推進のための体制と法整備の推進⑤狭山事件などのえん罪根絶と「証拠開示の公正なルール化」などの司法の民主化⑥差別撤廃・人権確立に向けた国際潮流への合流である。
  私たちは、これらの政策協定の内容を実現していくために、総選挙を闘うのであり、全推薦候補の必勝をめざしているのだということを再確認しておきたい。

 40日間の長期の選挙闘争は、さまざまな事態が起こることが予測されるが、部落解放同盟にとっては、中央執行副委員長である松本龍候補(福岡1区=福岡市東区・博多区)の当選をかちとることが至上命題である。部落解放運動がかかえる今日の厳しい状況を考えるならば、安易な「民主党への風」を期待してはならないことを肝に銘じておく必要がある。
  全国のすべての同盟員が、名実ともに〝石にかじりついて″でも松本龍候補の必勝をかちとるという気概のもとに、持てる力のすべてを福岡1区に結集して、1票1票を確実に積み重ねていくとりくみをおこなうことが求められている。すべての同盟員は、みずからの知人・友人が福岡1区(福岡市東区・博多区)にもういないかどうかを再点検するとともに、身近な友人・知人や諸団体にも声かけをして福岡1区の知人・友人に松本龍支援を訴えて、支持の輪を広げていただくことを強く要請したい。
  さらに、私たちが忘れてはならないのは、大阪府連特別執行委員の中川治候補(大阪18区=和泉市、岸和田市、泉大津市、高石市、忠岡町である。4年前に惜敗した元衆議院議員であり、現在大阪府連が全力をあげて雪辱のとりくみを展開しており、全国の同盟員にも大阪18区での知人・友人の紹介活動をお願いするものである。
  すでに、総選挙闘争は、中盤を迎えようとしている。8月18日の公示まで指折り数える段階にきている。私たち部落解放同盟は、組織内の松本龍候補をはじめとするすべての推薦候補の必勝に向けて全力を傾注し、歴史的な政権交代に向けた総選挙の強力な一翼を担う闘いに悔いを残さないとりくみを貫徹しよう。

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