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部落問題資料室
NEWS & 主張
「医療観察法」廃止を
政権交代、「条約」批准の年に

「解放新聞」(2009.08.10-2431)

差別と拘禁の法施行から4年
  「精神障害者」への差別・隔離法、「医療観察法」の施行から4年がたった。施行5年目にあたる来年の国会報告と「見直し」に向け、7月26日午後、「なくせ! 差別と拘禁の医療観察法7.26全国集会」が東京芸術劇場でひらかれ、109人が参加。同法破綻の現状を確認し、「来年の「見直し」・改悪を許さず、廃止への闘いを更に全力で聞」うことを決議した。
  同法は、自公政権が03年7月に強行採決して成立させた人権侵害そのものの悪法。「重大な他害行為」の犯行時に「心神喪失」などの状能だあった人を、強制的に特定の病院に入院・通院させ、裁判官らの判断でその強制を無期限に継続できる内容だ。治療・社会復帰の促進という目的とは裏腹に、医療保障政策ではなく、意図的な危険視―差別政策として「精神障害者」を隔離・管理する。現実に、たとえ医療機関が「退院」を判断しても、「再犯のおそれ」という裁判官らの恣意的な判断で退院させない事態も続発している。
  集会では、同法の被対象者とされた人のアピールをはじめ、精神障害者の当事者組織や、障害者団体の人たち、精神科医、医療現場で働く人たち、弁護士らがリレートークし、精神医療、司法制度、国際人権諸条約など、さまざまな視点から同法を徹底批判。民主党を軸とした政権交代や「障害者権利条約」批准が期待される今年、廃止に向けて全力で闘おうと誓いあった。
  この4年間、すでに900人近くが強制入院などをされ、強制医療下で12人(入院中3人、通院中9人)が自殺に追いこまれたが、実態調査も情報開示もない▽強制入院・通院させる「指定医療機関」整備がすすまず、昨年8月、厚労省が民間病院を指定できるように省令を改悪―指定医療機関で「手厚い医療」をするとした法律の基本的枠組みの省令による全否定▽保安処分対象者拡大への策動―「人格障害者」もすでに拘禁▽同法被対象者による日弁連への人権救済申し立て、などの内容を決議文に盛り込み、採択。「精神障害者にたいする差別と拘禁を許さないぞ」「差別と拘禁の医療観察法を許さないぞ」「私たちは医療観察法をなくすまで闘うぞ」とシュプレヒコールした。


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