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部落問題資料室
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主張

 

各党の政権公約(マニフェスト)の検証の上に立って、
自信を持って政権交代への総選挙闘争を推しすすめよう
「解放新聞」(2009.08.10-2431)

 自民党が政権公約(マニフェスト)を7月31日に公表した。これで各党の政権公約がほぼ出そろったことになる。主要政党が掲げる政権公約の主題を列記すると、つぎのようになっている。
  「日本を守る、責任力」(自民党)、「生活を守り抜く」(公明党)、「政権交代―国民の生活が第一」(民主党)、「生活再建1いのちを大切にする政治」(社民党)、「輝け日本! 安心な地域社会実現」(国民新党)、「「国民が主人公」の新しい日本を」(共産党)などである。
  とりわけ、部落解放同盟が推薦候補との間で交わした政策協定の内容と関わって各党の政権公約を見ると、民主党は、「取り調べの可視化で冤罪を防止する」、「人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する」ことを掲げ、社民党も「裁判員制度を見直します。取り調べの全過程を可視化します」、「政府から独立した人権救済機関を設ける人権侵害救済法を制定します」としている。また、政権与党であった公明党は、「人権侵害による被害を適正かつ迅速に救済するとともにその実効的な予防をはかるため、新たな人権救済制度の創設などを含む「人権侵害救済法」を制定し、人権擁護施策を総合的に推進することにより人権尊重社会の実現を目指します」となっている。

 今回の第45回総選挙は、政権交代が実現するのかどうかの歴史的な選挙戦になっている。私たちがどのような政権を選択するのかということは、どの政党がどのような政権公約を掲げているのかによって判断しなければならない。その意味では、各党から出されている政権公約をしっかりと読みこなしていくことが重要である。
  このとき、大切なことは、まず第1に、「政権公約」とは政権を取ったときに実現すべき政策であることから、政権与党であった自公が4年前の公約について責任をもって明確に総括しているかどうかをみることである。残念ながら、自公政権はこの総括に頬被りをしているといわざる得ない。
  第2に、最近のテレビや新聞などで政権与党であった側から民主党など野党の政策について、「政策実現に要する財源の裏付はどうするのか」という財源論なるものが頻繁に出されているが、この議論にはごまかしがあり、本質的に誤りがあるということである。すなわち、どの政党が政権を担おうとも財源(税収)は同じなのであり、問題はどの分野の政策にどのように予算を配分するのかという分配論こそが重要なのである。
  一言でいえば、政策実現のための財源はあるのかないのかの議論ではなく、現在ある財源で予算配分の枠組みを変えることで必要な政策に必要な財源を確保するという議論をおこなうべきであり、そこで政権の基本姿勢が問われるということである。
  第3に、各政党が政権公約のなかで、私たちが一貫して政治に求め続けてきた「人権・平和・環境」などに関わる異体的な政策をどのように打ち出しているかを検証していくことである。わけても「政策協定」の中身が、候補者個人だけではなく政党としてどのように公約されているかということである。この観点から見るならば、前述したように、民主党、社民党、公明党しか存在していないのである。

 このような観点から政権公約を読み解いたとき、部落解放同盟が第45回総選挙を闘うにあたって、民主党・社民党を中心にした推薦候補を押し立てて政治の転換をめざすということはしごく当然なことであり、自信をもって総選挙闘争を推しすすめよう。
  総選挙公示(8月18日)まで残すところわずかであり、総選挙闘争はすでに終盤段階に突入しようとしている。すべての同盟員が、マスコミの選挙情報に一喜一憂することなく、着実に知人・友人への票固めのとりくみをおこない、組織内候補である松本龍候補(福岡1区=福岡市東区・博多区)の必勝をかちとるとともに、中川治候補(大阪18区=和泉市・岸和田市・泉大津市・高砂市・忠岡町)をはじめとする全推薦候補の当選をかちとり、人権立国へむけた政治の転換をはかるために全力を尽くそう。

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