「解放新聞」(2009.10.12-2439)
子どもたちの人権状況悪化
研究集会では、同センターの鎌田行平・常務理事が、「部落の児童生徒にたいする学校での差別事件もあとをたたず、それに加えてインターネット上の「部落地名暴き」「人名暴き」によって部落の子どもたちは新たな差別の脅威にさらされている。そして何よりも重大な問題は、現場で悲鴨をあげる子どもたちの人権を守るべき学校が、そのための人員を配置するゆとりがなく、結果として人権侵害が放置されている」と子どもたちの人権状況を報告し、子どもたちを放置しないよう、学校の人権侵害への本格的な対応態勢の必要性を訴えた。
効果ある同和人権教育とは
実践報告では、東葛同和教育研究会の橘整さんが、S高校差別落書事件の経過を分析しながら、差別事件が表面化できる学校の条件を明らかにし、「圧倒的に少数派が来られない学校ならば、授業であれ、学校行事であれ、まっとうな教育活動が成り立つはずがない。問題が起きたらどうしようとビクビクするのではなく、起きたら隠すことなく問題に向き合い、ともに考えていこうという姿勢と実践力を磨いていきたい」とまとめた。
また学校現場では日日何らかの人権侵害が起きている現実をまず認めたうえで、同和・人権教育の推進は差別事件の発生を減少させることはできない。なぜなら効果ある同和・人権教青は「差別が事件である」ということに気づく人びとが増えることである。したがって報告が多い学校は「いい学校」なのだ、という意見もあった。
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