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部落問題資料室
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主張

 

来年7月に向け第2期松岡参議院選挙闘争を
本格的に開始しよう
「解放新聞」(2009.11.02-2442)

 9月16日に鳩山新政権が誕生して、1か月余が経過した。総選挙で掲げたマニフェスト(政権公約)を実現するために、新政権は奮闘している。「コンクリートより人」という観点から麻生政権時の大型補正予算を見直すとともに来年度概算予算の編成作業も精力的におこなわれており、臨時国会に向けた準備がすすんでいる。生活者に視点をあてた政策を実行しようとする姿勢を打ち出していることは、これまでの政治を大きく変えていく期待感を抱かせるものである。
  9月末の国連総会で鳩山総理がおこなった演説も、平和問題では「核廃絶と非核3原則の堅持」を明言し、環境問題では「2020年までに温暖化ガス25%削減」を打ち出して、大きな国際的支持と関心を集めたことは、評価に値する。
  残念なことは、人権問題で明確なメッセージを打ち出せなかったことである。国内人権機関の創設を中心に人権の法制度を整備し、国連人権理事国としても東アジア共同体構想の推進のなかで人権立国としてのリーダーシップを発揮していくことを発信すべきであった。
  千葉法務大臣が就任会見で「人権侵害救済機関の設置」「個人通報制度を含めた各人権条約の選択議定書の批准」「取り調べ過程の可視化」に早期に着手することを明言したが、鳩山新政権として、来年の通常国会では「人権侵害救済法」を早期に成立させ、人権課題についての明確な「人権の法制度」を確立する姿勢を示すことが重要である。
  そのことによって、私たちが政治に求めてきた人権・平和・環境を基軸とした政策展開の第1歩を鳩山政権が責任をもって踏み出すことになると考える。このような政治を本当に実現できるかどうかということでも、来年7月に実施される第22回参議院選挙は重要な意味をもっている。

 とりわけ、部落解放同盟にとって、来夏の参議院選挙は、阻織内議員である松岡とおる中央本部書記長の2期日の改選にあたる重要な選挙である。10月19日にひらいた中央執行委員会は、来夏の参議院選挙をめぐる厳しい状況にたいする真剣な論議をおこなったうえで、第2期松岡参議院選挙闘争を組織の全力をあげてとりくむことを決定した。
  すでに民主党は、10月6日にひらいた参議員研修会で来年の参議院選挙についての方針を議論し、「単独過半数以上、プラス10議席を目標に闘う」ことを確認したといわれる。とりわけ、複数定数の選挙区では2人以上の候補者を立て、比例区では集票能力をもった候補者を多数立候補させるという方針で臨むといわれている。
  そうなると、松岡とおる参議院議員(中央書記長)が立候補する比例区選挙では、ボーダーラインが20万票以上必要になると想定されており、それを最低得票にした選挙戦術を組み立てていく必要がでてくる。
  この数字は、前回の当選を勝ち取った時の得票が11万4000余票であったことを考えれば、単純にいって2倍の票を獲得しなければならないことになり、相当厳しい票数であることは事実である。しかも、6年前の状況からみても、今日の同盟の組織力・財政力は落ち込んでおり、大きな不祥事の影響もあることを考えれば、第2次松岡とおる参議院選挙闘争は、厳しい現状におかれているといわざるをえない。

 この厳しい現状認識に立ったうえで、なおかつ第2期斯松岡とおる参議院選挙闘争は、部落解放同盟にとって是が非でも勝利を勝ち取らねばならない闘いである。
  私たちは、前回の松岡とおる参議院選挙闘争で、「4つの意義と目的」を確認してとりくみをおこなったことは周知のところである。それは第1に、全国的な「解放の議席」を確保する闘いであり、第2に部落解放への展望を切り拓く闘いであり、第3に小泉政権の危険な反動「改革」路線と対決する闘いであり、第4に同盟組織の統一と団結を固める闘いということであった。
  松岡参議院議員(中央書記長)は、当選を勝ち取って以降、国会や民主党内で実にめざましい奮闘をおこなってきた。この5年余の間に、新人離れした活躍ぶりによって、私たちが政治に求めてきた「4つの意義と目的」は、相当程度に具体化されてきたといえる。
  まず第1に、05年8月に民主党の「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」を議員立法として国会提出させたことを皮切りに、「人権侵害救済法」制定への粘り強い国会質問やとりくみによって闘いの火種を維持し続けたことである。第2に、そのことによって、自公政権から民主党を中心とする鳩山連立政権へと交代させ、「人権の法制度」確立への展望と条件を大きく切り拓いたことである。第3に、えん罪防止や司法の民主化へ向け「取り調べ可視化法案」を2度にわたって参議院で可決させて世論化することによって、狭山闘争勝利への異体的な条件を整備してきていることである。さらに第4として、マイノリティ女性やホームレス問題、ハンセン病問題やアイヌ問題などの反差別・人権課題にも積極的なとりくみを展開してきたことは大きな広がりをもって高く評価されているところである。

 部落解放同盟は、松岡とおる参議院議員のこれらの実績と活動姿勢を自信をもって確認するとともに、第2期松岡とおる参議院選挙闘争を死力を尽くして必勝に結びつける闘いを開始する。
  来夏の参議院選挙で今夏の衆議院選挙のような民主党への追い風の勢いがそのまま直結することはあり得ないし、民主党の参議院選挙闘争の方針をみても当選ラインは大きく跳ね上がってくることを考えるならば、部落解放同盟の組織内候補である第2期松岡とおる参議院選挙は、厳しい条件のもとにおかれていることは事実である。しかし、これまでの松岡とおる参議院議員の実績と活動姿勢を見るならば、部落解放運動にとって絶対に勝たなければならない選挙であり、全同盟員が一致団結した力を発揮するならば必ず勝てる選挙であると確信している。
  前回選挙の総括と今日的な状況認識をしっかりとおこなうなかから、第2期斯松岡とおる参議院選挙必勝に向けた戦略と戦術を設定し、全同盟員が一丸となって来年7月に向かって自発的かつ大胆に闘いを開始しよう。

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