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部落問題資料室
NEWS & 主張
「同宗連」が第24回目の狭山現調・学習会
「司法による部落差別事件。学びとおして怒り拡大を」

「解放新聞」(2009.11.23-24455)

 同宗連(『同和問題』にとくりくむ宗教教団連帯会議、議長教団・日本基督教団)は10月27、28日、第24回狭山現地調査学習会を狭山市富士見集会所でひらき、加盟教団から56人が参加した。初日は全体会で、曹洞宗制作の狭山ビデオ上映と「私にとっての狭山事件」と題した講演や石川夫妻の訴え、4つの分散会をし、問題意識を共有した。翌日は自白コースをたどり石川さんの無実を確信するまなびの場となった。
  ビデオ鑑賞後、日本バプテスト連盟部落問題特別委員会の永瀬正臣さんが「私にとっての狭山事件」と題して講演。永瀬さんは、教師としてはじめて赴任した高校が和歌山県であり、そこで部落問題を知り、生涯の課題となった。差別への怒りと共感が大事であり、被差別者の側にたちきることが必要だ、とのべた。
  石川一雄さんは、3者協議に希望をもっている、再審が開始されることを確信しているが楽観はしていない、と心境をかたった。また、仮出獄してから15年がたった。こんなに長い闘いになるとは思っていなかった。32年の獄中生活は無駄ではなかった。文字を教えてくれた看守と出会えたことや国連人権委員会で訴えたことが思い出深いことだ、とのべながら、支援を訴えた。早智子さんは、障害者の人と出会うなかで、差別する自分に気づかせてくれたのは、部落解放運動のおかげだ。不幸なのは差別であって障害ではない。このことが私の狭山の原点にある。3者協議の開始ではじめて風が吹いた。狭山を動かすのはみなさんです、と支援を訴えた。
  2日目は、狭山市駅前から石川さんの自白にもとづいたコースを中央狭山闘争本部の安田事務局員の説明とともに歩いた。殺害現場とされる場所では、当時の捜査官がルミノール血痕反応検査をしたとする証言を取りあげてこなかった経緯や、むしろ検察側が殺害現場であることを実証する責任があること、また、復元した石川さん宅のカモイでは、万年筆が3度目の家宅捜索で発見される不自然さを知り、この事件がえん罪であることを確信した。
  主催者あいさつをした小林眞・議長は、「狭山事件が起きて46年がたった。数年前に副議長教団になり、はじめて現地を歩くことによって怒りを持った。いまは、司法による部落差別事件だと思っている。この学びをとおして怒りをひろめていくことを課題としてほしい」とのべた。また、閉会あいさつを曹洞宗の池亀善紀さんがおこなった。

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