「識字運動の灯をともしつづけよう」。そんな思いを改めて確認しあった部落解放第13回全国識字経験交流集会が、11月14、15日、広島市・ワークピア広島でひらかれ、13都府県135人が参加した。
1日目、主催者を代表して岸田副委員長があいさつ。協賛している日本教職員組合の清水秀行・書記次長と、広島県連の岡田英治・副委員長が、あいさつした。
とくに岡田副委員長は「解放運動の誇りうることの1つが、識字運動と思う。広島では、作品集を水田繁子さん(尾道市協)と井上ハツミさん(府中市協)がだした。2人ともボランティアで、解放新聞の発送をしている。終始一貫した生き方に近づいていきたい」と、強調した。
基調提案は、教育文化運動部の辻本副部長がおこなった。交流集会のねらいと内容を説明し、「国連識字の10年」などにあわせ、全国の識字活動の実態把握や法定整備を政府に求めるとりくみも重要と訴えた。
つづいて、井上さんと、材木貞子さん(福岡県連)が、特別報告をした。井上さんは「解放運動してよかったのは、識字をするようになって、人間が好きになった。いま先生がいない。1人で書いている。みんなから元気をもらって帰る」と、1人でもがんばりつづけている姿勢を示した。
材木さんは、学校をぬけだす子どもに、識字でがんばる姿をみせることで、いつしか抜け学校がなくなっていた体験を披露。「一生懸命やれば、いつか伝わる。親子のことで知った」と強調した。そんな体験は、ねたみ差別をなくすため、周辺の一般地区での、啓発活動のとりくみにつながっていっている。
2人の話は、会場の共感と感動をよぴ、拍手がおくられた。
このあと、6会場にわかれ、分科会がひらかれた。
2日目は、識字学級を紹介したビデオの鑑賞で始まった。大阪府松原市の更池識字学級をとりあげたドキュメンタリー。
つづいて分科会報告と、集会のまとめがおこなわれた。とくに分科会報告では、▽ながく先生がつづかない▽財政難で時間が削減された、などの問題があるなかで、「識字の灯を消したらあかん」(松本吉弘さん・和歌山)という決意が、示された。
また、「48歳から猛勉強して定時制高校にいった」(吉山トシ子さん・福岡)、「自分のからだがつづくかぎり書きつづけたい」(岸本輝美さん・兵庫)など、体験や思いも語られた。
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