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NEWS & 主張
可視化求め院内集会
松岡参院議員が決意語る

「解放新聞」(2010.01.11-2452)

 えん罪を防ぐために捜査過程の可視化の促進を求めて11月26日昼、「改めて取り調べの可視化を求める緊急院内集会」が東京・永田町の衆議院第2議員会館でひらかれ、50人が参加した。集会では、大阪・枚方市の前副市長小堀隆恒さんが談合事件に関わって逮捕され、否認をつづけると人権無視の対応で自白を強要された過程を報告した。また、氷見事件でえん罪被害者の柳原浩さん、全面可視化を実現したアメリカイリノイ州の現状について報告がされた。参加した松岡とおる参議院議員(中央書記長)は、早期実現へ努力するとのべた。
 開会あいさつをした日弁連の川崎達也・副会長は、「すでに民主党は、可視化法案を参議院で2度にわたって可決したにもかかわらず、いろいろな意見がでて機運が削がれている感じだ。究極の人権侵害といえるのがえん罪だ。可視化されると治安が悪化する。おとり捜査、司法取引の導入が必要との意見もあるが、これらの意見は誤りだ。次期通常国会で成立を」とのべた。
 大阪・枚方市の前副市長の小堀隆恒さんは、なんら関係していないのにかかわらず談合事件にかかわったとして逮捕されたが、身に覚えはなく否認をつづけた。「否認すると「ごみ野郎、くず野郎、ばか野郎」と罵声を浴びせつづけた。椅子を蹴りつけ壊すほどの暴力的な自白強要だった。医者に処方された薬も飲ませてくれずに、持病が悪化した。紙おむつをあてがわれたが、釈放まで1枚だけだった。それを渇かしては使った。こんな屈辱は決して忘れない」とのべ、「今後は警察の人権無視の捜査について多くの人に伝えていきたい。使命を感じている」とのべた。

アメリカでの現状を報告
 つぎに、柳原さんが発言。暴力的な威圧で取り調べ官のいいなりになった状況を報告した。現場検証で向かう車のなかでも自白の誘導と強要がある。可視化はこうした車内にも適用されるべきだとのべた。
 つづいて、秋田真志・日弁連取り調べの可視化実現本部事務局長が「オバマ大統領が実現したイリノイ州の可視化について」報告した。この可視化は、2003年8月にオバマ大統領がイリノイ州議員だったころ実現させた法案。共和党だけでなく、民主党内の慎重派も説得して実現したものだとのべ、「取り調べ室に入ると同時に記録が始まり、肉親や弁護士の立ち会いがされている。法案成立直後の訪問では、「まだ、成果がでていない」と慎重な意見もあったが、ふたたび訪問するとみな好意的な反応だった」と報告した。
 また、この集会に参加した松岡参議院議員は、「可視化法案の議案提出委員となった。早く可視化を実現したい。えん罪を見抜けない裁判所の責任や参考人についても可視化が必要だ」と踏み込んだ発言をおこない、捜査―裁判をつうじた司法の民主化の必要性を訴えた。
 この後、午後2時半からは同趣旨で「改めて取り調べの可視化を求める緊急市民集会」が日弁連会館でひらかれ100人が参加した。


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