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1月18日から150日間の日程で第174通常国会が開会した。政権交代をした鳩山連立政権にとって、本格的な国会論戦の幕開けとなる。事業仕分けや92兆円という過去最大の規模で話題を集めている2010年度予算にかかわっての議論や沖縄普天間基地移設問題、さらには政治資金問題などをめぐって与野党の激しい攻防が予想される。
わけても、一昨年秋以降から続く経済不況は、5.2%の完全失業率、0.42倍という異常な求人率、就労人口の3人に1人が非正規労働者という不安定雇用、1000万人をこえる年収200万円以下の働く貧困層、若年層を含む生活保護受給者の急増などの深刻な状況をつくり出しており、景気回復や雇用確保および社会保障の充実(社会的セーフティネット構築)が国会で審議をつくさなければならない喫緊の政治課題となっている。
今通常国会でもう一つ重要な課題が、私たちが長年にわたって求め続けてきた国内人権機関の創設を中心とする「人権侵害救済法」制定の実現である。
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昨年の総選挙での各党のマニフェストで、民主党、社民党、公明党は「人権侵害救済法の制定」を明確に掲げてきた。そうしたなか、私たちが推薦・支持してきた民主党を中心とする新政権が樹立した。
就任会見で千葉景子法務大臣は、「人権侵害救済機関の設置」を第1番目の課題としてとりあげるとともに、「個人通報制度を含む選択議定書の批准」、「取り調べの可視化」などマニフェストでの公約課題を実現すると明言した。その後、法務省政務3役のもとで、関係資料や法案および制度設計の検討がすすめられているといわれる。
民主党は、2005年8月の段階で議員立法として『人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案』を提出(廃案)しており、すでに党議決定の「法案」をもっている。鳩山内閣は、この法案をベースにして連立与党内および与野党間の協議をしっかりとおこない、来年度予算成立後の3月の早い段階で閣法として「法案」の国会提出をおこない、1日も早い成立を図るべきである。
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「人権侵害救済法」の必要性については、これまでも何度もくり返してきたように、言をまたないところである。私たちは、まず第1に、人権侵害や差別に苦しむ人たちの実態(立法事実)があることを具体的な事案を通じて明らかにしてきた。第2に、人権擁護推進審議会答申(2001年)を受けて、2002年3月に闇法として「人権擁護法案」が国会提案されたが、いまだに成立していないという政府責任・政治責任が問われている。第3に、1998年の国連規約人権委員会から国内人権機関の早期設置を勧告されて以来、繰り返し勧告がなされていることにたいする国際責務がある。
人権侵害や差別に苦しむ人たちの事案件数は、この間の格差社会の進行にともなう社会不安のもとで急増しており、一日も早い「法」制定が必要であることを示している。
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私たちは、今国会で「法」制定の実現を勝ち取るために全力をあげたとりくみを展開していかなければならない。
まず第1に、今国会の3月中旬段階での「法案」提出を求めて、政府・与党にたいして強力な働きかけをおこなっていくとともに、私たちがこれまでも主張してきたように超党派的な法律として成立させるために可能な限りの与野党合意を図っていくように求めていくことである。
第2に、そのような仕掛けを可能にしていくために、各党・各国会議員にたいするていねいな要請活動を強化していくことである。
第3に、日弁連やマイノリティ団体、人権NGO団体、メディア関係団体などとの協働行動を活発化させ、広範な「法」への社会的世論を形成していくことである。
第4に、地域実行委員会を核にして、地域での集会や学習会の開催や地元国会議員への要請活動を継続的に実施し、自治体ともともに全国、各地域からの「法」制定の大きな声を政府に集中していくことである。
これらのようなとりくみを確実に実施していくことを通じて、3月以降に本格化する国会闘争を果敢に展開し、第174通常国会での「法」制定の実現をめざそう。
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