第2回国土交通省交渉を1月28日午後、省内でおこない、赤井生活労働運動部副部長(中執)をはじめ各地から21人が参加。部落の公営・改良住宅の団地を「典型例」として高齢化時代に対応した適切なコミュニティバランスの確保を求めた省の説明資料(07年)や、「留意点」で部落問題解決への住宅施策推進も強調した、「改正高齢者住まい法」施行をふまえた通知(国住整第85号、昨年8月19日)の考え方を聞き、徹底を求めた。
部落の公営・改良住宅の実態調査の実施や、土地差別調査事件などでも意見交換した。省は、土地差別調査事件はたいへん遺憾、都道府県、関係不動産業団体と連携して事業者の実能把握につとめたい、など表明した。
また、省はいま、鳩山政権が掲げる「地域主権」確立に向け、個別補助金の原則廃止―自治体の自由度の高い「社会資本整備総合交付金(仮称)」創設や、公営住宅の収入基準などを条例に委任する「公営住宅法」見直しを検討している。自治体の権限を強めるこれらの改革が、部落差別撤廃の行政責任の放棄に悪用されることを防ぎ、同和行政・人権行政を着実に前進させるため、交渉では、その実効策の実現も求めた。
昨年8月19日の通知(国住整第85号)は、前回の交渉(2424号既報)をふまえ、国交省が都道府県・政令指定都市の住宅担当部長あてに出したもので、管内の事業主体(市町村)にも周知するよう、求めている。国交省と厚労省が連携した「改正高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律)」施行をふまえ、公営・改良住宅の建て替えやコミュニティバランスの回復・維持に諸事業の積極的活用を求めるとともに、「その他事業実施等における留意点について」で部落の住宅施策推進を強調している。
「物的な環境の劣悪さが差別を再生産する悪循環を断ち切る」ため、「特別措置法」時代に住環境整備事業が「較差の改善に大きく貢献してきた」と示し、「地対財特法」失効は部落問題の解決を意味するものではなく「差別がある限りその解決に向けて引き続き努力する必要があることは明らか」と強調。実施してきた施策の効果を損なうことなく、周辺地域と一体となったコミュニティの形成が図られるよう、現状把握、課題整理などをし、現行施策などを活用して効果的な解決に向けたとりくみを、と求め、管内の市町村への周知も求めている。
交渉には、省からは、岡崎敦夫・住環境整備室長ら14人が出席した。
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