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3月3日、民主党は今夏の参議院選挙での第1次公認候補を公表した。部落解放同盟の組織内候補である松岡とおる中央書記長(参議院議員)も当然のことながら、そこに名前を連ねている。いよいよ参議院選挙闘争が本格的な段階に入ってきた。
しかし、昨年の8月の総選挙の時とは政治情勢が大きく変わってきている。歴史的な政権交代を実現した鳩山連立政権は、発足時には70%前後の高い内閣支持率を得ていたが、政治資金規正法をめぐる問題やマニフェスト実現にかかわる迷走、さらには内紛問題という事態のもとで内閣支持率は危険水域といわれる30%前半にまで落ち込んできている。まさに、政権の屋台骨である民主党にとって「逆風」状態である。
この逆風のもとで、民主党は89人の公認候補(2人は推薦)を押し立て、さらに追加する方向で検討しているといわれる。現時点では、そのうち40人が比例区候補となっており、このなかで個人票の多い順から当選が決まる仕組みである。
6年前の松岡選挙の時の比例区候補は26人で19人が当選し、3年前には35人の候補で20人の当選であった。いずれも民主党への「追い風」があった時である。今回の選挙は、逆風のもとで40人の候補ということになれば、予想をうわまる激戦になることは必至であり、当落線が20万票といわれている。
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部落解放運動が長年にわたって求め続けてきた「人権・平和・環境」を基軸にした政治展開は、発足時の鳩山政権の基本姿勢が堅持される限り、紆余曲折があったとしても実現可能な段階であることは間違いない。この政策の牽引役が松岡とおる議員である。2月3日の参議院本会議で、松岡とおる議員が人権政策確立にかかわる代表質問をおこない、鳩山総理および関係大臣から真撃な前向きの答弁を引きだしたことは、『解放新聞』で既報のとおりである。
松岡とおる候補は、民主党の公認候補であるが、部落解放同盟の組織内候補である。部落解放同盟にとって、松岡参議院選挙闘争は絶対に負けることのできない選挙であり、組織の命運をかけて必ずや勝利を勝ちとらなければならない闘いである。
勝利の鍵は、松岡とおる参議院選挙闘争が浮動票を期待できない組織戦であることを明確に認識したうえで、支持基盤が「部落解放同盟」「被差別部落」「反差別・被差別マイノリティ」であり、この基盤をしっかりと固めながら支持・連帯の輪を広げていく以外にないという判断に立って選挙のとりくみをすすめることである。
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前述のような参議院選挙情勢の認識と松岡選挙闘争の基本戦術の判断に立って、当面つぎのようなとりくみを着実に推しすすめていこう。
第1に、すべての同盟員が「3人以上の確かな知人・友人への票拡大」のとりくみを必ずやり遂げることである。
第2に、被差別部落の代表を国政に送り込む意義を訴えて、組織外や未組織を問わずすべての兄弟姉妹に松岡とおる支持の輪を浸透させるオルグ行動を全支部員が一丸となって実施することである。
第3に、反差別・被差別マイノリティの仲間たちとともに、差別撤廃・人権確立の政治を実現していく協働のとりくみを訴えて、松岡とおるへの団体推薦や個人の支援の拡大をめざすことである。
以上のような3つのとりくみを基本にして、組織内議員については確実に外に打ってでる支持票獲得を要請したり、必要に応じて企業連選対や市民選対を立ち上げて支援を拡大していくとともに、各種選挙での推薦議員には異体的な支持票を提示してとりくみ要請をきめ細かくおこなっていくことが重要である。
各級機関や同盟員1人ひとりがこのようなとりくみを基本的には4月末までにやり遂げて、周到なとりくみ体制の下地を作り終えて、5月連休明けからの全組織を挙げた本格的な選挙闘争に突入していかなければならない。
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現時点では、今夏の第22回参議院選挙は、6月24日告示、7月11日投票という日程が有力視されている。選挙告示まですでに3か月という時期にきており、これからは時間との闘いになってくる段階である。
前項の「3つの基本課題」についてとりこぼしがないか、獲得目標に向けてどこまでとりくみがすすんでいるかをきっちりと点検し、7月11日投票日までの綿密な勝利への「行動計画」を各都府県連・支部で最終的な策定を完了することが喫緊の課題である。
今回の松岡とおる参議院選挙闘争では、6年前の選挙結果を真剣に分析したうえで、各都府県連・支部が獲得票の目標をきっちりと設定し、目標達成を実現するための地域性をふまえた戦術を各級機関が責任をもって実践していくことを基本としている。
同盟員1人ひとりが、指示待ち運動ではなく、自発性をもってみずからの課題として「第2期松岡とおる参議院選挙闘争」をとりくみ、家庭や地域から地道に大切な基礎票を掘り起こしながら、必勝への支援の輪を拡大していただくことを心から期待する。