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部落問題資料室
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主張

 

男女平等社会の実現に向け、
第55回全女を成功させよう

「解放新聞」(2010.04.26-2467)

 昨年8月の衆議院総選挙での政権交代は、人権・平和・環境を基軸にした政治の実現に向けた第一歩となった。しかし、小泉政権がすすめた弱者切り捨ての「構造改革」路線のもとで格差社会がすすみ、生活破壊や貧困の問題はいまだに深刻な社会問題となっている。いのちと生活を守る闘い、差別と戦争に反対し、人権と平和の確立をめざす私たち部落解放運動の果たす役割は、ますます重要になっている。
 本年、5月15、16日の2日間、京都市内で部落解放第55回全国女性集会(京都全女)を800人規模でひらく。すでに、京都府連女性部を中心に集会成功に向けたとりくみがすすめられている。全国の女性の力で部落差別をはじめ、あらゆる差別に反対し、男女がともにジェンダー(社会的・文化的に形成された性差)によって役割を強制されたり、生き方を制限されたりすることのない男女平等社会の実現に向けて、第55回全女を成功させよう。

 男女平等社会の実現にとって、とくに女性が働く環境や条件の整備が大きな課題になっている。
 育児・介護休業法が1991年3月に成立し、2005年に改正法が施行され、男女がともに働く権利と育児・介護の両立をめざし、男性にも女性と同等の権利を認めている。しかし、現実に男性が育児休暇や介護休暇を取得できる事業所がどれだけあり、まわりの同僚や先輩、後輩たちに気兼なく取得できる職場環境があるだろうか。女性も男性も職場で十分に能力を発揮していくためには、職場の環境整備や家族的責任を男女ともが担い、お互いを尊重し合う豊かな関係づくりが重要だ。
 さらに、組織内でも「男女平等社会実現基本方針」(改訂版/2008年)を学習し、中央本部・都府県連・支部で異体的なとりくみをすすめていかなければならない。

 昨年7月、ニューヨークで、4回目となる国連女性差別撤廃委員会による「女性差別撤廃条約」に関する「日本政府第6回報告書」審査がおこなわれ、8月には国連女性差別撤廃委員会から日本政府に勧告が出された。この勧告は2003年に出された勧告よりも、より力強いもので、①先住民族アイヌ、部落、在日コリアン、沖縄女性を含むマイノリティ女性の状況に関する調査の実施②マイノリティ女性の代表を意思決定機関に任命することなどだ。また、国内人権機関についても、女性と男性の平等に関する課題を含んだ独立した国内人権機関を明確な期限内に設置するよう勧告がだされた。
 私たちは、この勧告を確実に履行させるために、アイヌ・在日コリアン・部落女性の3者で福島みずほ・男女共同参画大臣に申し入れをおこなった。今後も各地でとりくまれているアンケート調査結果をふまえた、関係省庁との交渉をおこない、それぞれの実態を訴えるとともに、マイノリティ女性にたいする施策の充実と政府による実態調査を要求するなど、今後とも、粘り強い働きかけをすすめていかなければならない。
 差別のない社会にするためにも、こうした差別と闘う国内外の女性たちと反差別・反貧困のネットワークをつくりながら、人権と平和の確立、いのちと生活を守る協働のとりくみをすすめよう。

 第55回全女では、部落解放・人権政策確立のための闘い、狭山再審闘争や差別糾弾闘争の強化、男女平等社会の実現、自立自闘に向けた闘いと人材育成をはじめとした女性部組織の拡大など、地域でのとりくみの実践交流と論議を深め、活発な意見を出しあおう。
 第55回全女の成功をかちとり、女性が部落解放運動を前進させる原動力となって、あらゆる差別をなくすために闘いをすすめよう。
 そして、当面の最重要の闘いである7月の参議院選挙闘争では、私たちの解放の議席を守るために、なんとしても松岡とおる参議院議員(中央書記長)の2選をかちとらねばならない。
 私たちは、部落解放運動だけではなく、すべてのマイノリティ運動の前進のためにも、部落女性が先頭に立ち、全国の兄弟姉妹とともに、心をひとつにして闘い抜き、必ずや松岡とおる参議院選挙闘争に勝利しよう。


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