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部落問題資料室
NEWS & 主張
高検が36点の証拠を開示
血痕反応検査、8ミリなどは「ない」と回答

「解放新聞」(2010.05.24-2470)

弁護団―納得できない。さらに開示求める
  「人生を左右するほど待った日」(石川一雄さん)がついに来た。5月13日午後、狭山事件再審弁護団(中山武敏・主任弁護人)は東京高裁で3者協議にのぞんだ。そのなかで、東京高検は「証拠開示勧告について(回答)」を示し、証拠36点をついに開示した。
  開示されたのは、①「犯行現場」付近で農作業をしていた0さんへの第3回目の捜査報告書②石川さんの筆跡が存在する文書③石川さんが3人共犯自白をはじめた63年6月20日~25日の取り調べテープ9本④捜査報告書類、の4項目36点。
  「犯行現場」の虚偽架空性を示す「雑木林内の血痕反応検査の実施とその結果にたいする捜査書類一式」については、あらためて調査したが「不見当」(探したが見つからなかったという意味)とした。これは、これまで「不存在」(存在しないという意味)とされてきたもので、今回「不見当」に変更された。また、「1963年7月4日付け実況見分調書に記載の現場撮影8ミリフィルム」についても「不見当」。「1963年5月16日付け五十嵐鑑定人作成の鑑定書添付写真」「1963年5月4日付け司法警察員作成の実況見分調書添付の現場写真以外の被害者の死体に関する写真」についても「不見当」としてきた。
  狭山弁護団は、開示勧告されながら「不見当」としてきた4項目について、存在するはずなのに「不見当」として開示しないことには納得できない、としてさらに高検に証拠開示を求めていく。また、まだまだ隠された証拠があることは確実として、今後もさらに証拠開示を求める。今回開示された証拠については精査を重ね、新証拠・新鑑定として作成し、石川さんの無実をさらに明らかにし、事実調べに結び続けるために努力を続ける。
  次回3者協議は9月の予定。
  この間、狭山弁護団は検察と証拠開示をめぐって交渉を続けてきたが、検察側は弁護団が開示請求した証拠は存在しないとして開示を拒否し続けてきていた。

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