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部落問題資料室
NEWS & 主張
大本山總持寺が追善法要
曹洞宗
講演会には松岡とおる書記長(参議院議員)が

「解放新聞」(2010.06.28-2475)

人間が人間として尊ばれる社会、「よき日」へ
墓石、過去帳改正状況も報告
 曹洞宗の大本山總持寺(横浜市鶴見区)で6月14日午前、大道晃仙・總持寺貫首を大導師に、大勢の僧侶によって「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」が厳かにとりおこなわれた。部落解放同盟からは、組坂委員長、田川中執、地元の神奈川県連の三川哲伸・委員長をはじめ、各地から参列し、焼香した。大本山總持寺主催の追善法要で、84年いらい本年で27回目。
 午後は、總持寺の三松閣大講堂で、松岡とおる中央書記長(参議院議員)が追善法要に参加した僧侶を前に講演。差別撤廃・人権確立社会の「よき日」へ、「人権侵害救済法」制定をはじめ人権の法制度確立に闘い抜く決意を表明した。
 講演会にあたり、總持寺の横山敏明・監院のあいさつのあと、曹洞宗の渕英徳・宗務総長が、昨年11月26日に亡くなった斉藤信義・總持寺副貫首に哀悼の意を表すとともに、差別戒名・差別過去帳の改正状況など、宗門の人権問題へのとりくみを報告した。
 渕宗務総長は6月14日現在、差別戒名墓石は対象寺院145か寺のうち130か寺で改正済み、差別過去帳は対象寺院218か寺のうち207か寺で改正済み、ひきつづき完全改正をめざし、改正督励にまい進したい、と報告。「あらためて宗門僧侶による差別戒名付与という仏の平等の教えに背いた行為への心からの懺悔と、死後にまで差別を受けた方がたへのお詫びとともに、あらゆる差別の解消と人権確立に向け、自覚するきわめて重要な意義を持つ法要であることを、みなさまとともに認識をあらたにしたい」とのべ、宗門主催の追善法要は9月、鳥取県米子市の総泉寺の予定、人権侵害にかかわる法律の早期制定には部落解放・人権政策確立要求中央実行委とともにとりくむ、など決意を語った。

「救済法」の早期制定訴え
 追善法要後の講演会で、松岡書記長は、追善法要への感謝をのべるとともに、自分のおいたちや、数かずの結婚差別自殺事件、国家による人権侵害―えん罪被害者の現実も紹介し、差別・人権侵害の被害を直視する大切さを指摘。「らい予防法」「旧土人保護法」などの悪法が差別・人権侵害を生んだ事実も例に、差別撤廃・人権確立の社会規範を創る法整備の重要性を強調し、「人権侵害救済法」早期制定の決意を語った。
 「差別される側と差別する側、どっちにしてもオギャアと生まれたときには真っ白だ。真っ白な子どもが、なぜ10年や15年の人生の歴史のなかで差別する側とされる側、そういう経験を積むのか。なぜ差別する人間としてつくられるのか」と提起。「さまざまな環境のなかで人間の心は揺らぐ。それを人間としての道へどう導くか。人間としての秩序を社会にしっかりと創ることを通じて社会から差別をなくす。法律を創る立法府である国会、政治はそれに責任を持つべきだ。人間が人間として尊ばれる社会―「よき日」を創る意志をこめた松本治一郎、英一先輩とつづくこの議席を守り、被差別の立場で、こういう法律を創るべき、こんな法律は創ってはいかん、こういう制度を創るべき、と声をあげたい」と語った。


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