第11回部落解放全国会議が6月7~9日の日程で開催された。主催は、同会議実行委と日本基督教団部落解放センター。この会議は2年に1度開催される全国規模の会議。今回は東京・台東区の人権プラザを会場に200人が参加した。会議では、基調報告のほか、各地のとりくみ報告やテーマ別の分科会の開催やフィールドワークもとりくまれ、連日夜9時過ぎまで熱い交流と討議がされた。
会議ではあらためて部落差別と闘うことをキリスト者の使命として確認するとともに、社会の不正義にたいして積極的にとりくむことを確認した。
教団を代表して、山北宣久・総会議長は、「福音に生きる教会は福音を命としている。福音とは主イエスの十字架と復活とによって、ともに生かされて生きるということだ。そのともに生きる恵みを無にする差別とは闘わなくてはならない。み言葉によって闘うことによって、闘う者自身が変えられていく。これが宣教の課題としての部落解放となる。…さらに祈りと力を合わせていこう」とあいさつした。
部落解放センターの東谷誠・運営委員長が基調報告をし、「東京に生きる部落出身者の孤立と苦悩を知るからこそ東京での開催を願ってきた。東京は、全国で一番被差別部落出身者が多いところだ。自分のふるさとを語れない人がたくさんいる。そんな人たちにこの3日間エールを送り続けたい」とのべ、「若い世代の立ちあがりを求めるとともに、部落解放センターは反差別のセンターでありつづけたい」と訴えた。
集会では東京でのとりくみ報告とともに、地元の部落解放同盟東京都連からは、長谷川三郎・委員長と浦本誉至史・執行委員が東京の部落の歴史や差別事件について講演した。長谷川さんは、50万人の部落民がひっそりといきを殺して生きている実態に理解を求めたほか、大量差別はがき事件の当事者となった浦本さんは、インターネットでの差別書き込みなどの現実から、「無関心が差別を助長している。顔も知らない相手だからこそ、平気で差別する」と、都会の差別の陰湿さと恐怖を指摘した。
また、2日目におこなわれた、フィールドワークでは、狭山事件とともに、浅草や荒川、墨田の皮革関連産業を中心とする被差別部落の歴史や現状を知るコースや、品川・芝浦の食肉センターへの見学など5つのテーマで部落問題を深めるとりくみがおこなわれた。
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