【大阪支局】「無償化対象から朝鮮学校だけを排除するのは明らかな民族差別」と、朝鮮学校への高校授業料無償化を求める緊急集会が６月18日、大阪市北区の区民センターでひらかれ、府連や解放共闘、労働組合、在日コリアン、市民・女性団体ら600人が参加。「政府は、国際諸条約を順守し、朝鮮高校への無償化を実施すること。橋下・大阪府知事の暴言、差別煽動を批判し、補助金支給の実施を求める」集会アピールを採択した。
　 緊急集会は、当初政府が無償化の対象はすべての子どもたちとして予算化していたが、拉致問題や国交の有無などを理由に朝鮮高校を無償化の対象から除外する方向を打ち出し、現在無償化の適用は「保留」されている。また橋下知事も「北朝鮮は暴力団と同じ不法団体」などと発言し、府が独自で実施してきた朝鮮学校への補助金も見直しを打ち出した。こうした発言や動きを抗議するためにひらかれたもの。
　 集会では、基調講演を丹羽雅雄・弁護士がおこない、「すべての子どもが平等に教育を受ける権利がある。朝鮮学校を授業料無償化から除外することは明らかに国際人権法違反であり、民族差別だ」と指摘し、「朝鮮高校への無償化の実現は、いまだにつづく植民地主義と冷戦構造を清算することであり、多民族・多文化共生社会をつくる基礎である」と訴えた。
　 大阪朝鮮高級学校の生徒は、「なぜ私たちだけが排除されるのか。街頭で訴えると心ない言葉も投げかけられるが、それ以上に全国から激励、応援のメッセージも届いている。差別させない実力と強い気持ちをもちたい」とのべた。