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部落問題資料室
NEWS & 主張
自分でできる第1歩を
3つの講義に14教団66人が

「解放新聞」(2010.07.19-2478)

同宗連が第25回部落解放基礎講座で
  「同宗連」(『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議・小林眞議長)の第25回部落解放基礎講座が6月17、18日、東京の本願寺築地別院を会場にひらかれた。この講座は加盟64教団の新人を対象にした研修会で、毎年関東、関西、九州の3会場で開催し、今年は14教団から66人が出席した。
  開講式に続き、今回は「被差別部落の歴史に学ぶ」中尾健次さん(大阪教育大学教職教育開発センター教授)、「宗教と部落差別問題」坂原英兄さん(浄土真宗本願寺派中央基幹運動推進相談員)、「部落差別の現状と課題」福永謙二さん(部落解放同盟福岡県連執行委員)の3つのテーマで講演を聴いた。
  中尾さんは、太鼓の皮、膠、雪駄などが高度な技術の集積の上にできていることを示しつつ、これらの優れた「もの作り」をとおしての被差別部落の歴史を。坂原さんは、被差別者に出会わないで差別問題を理解しようとする傾向の強い宗教者の体質を批判し、差別のなかで痛みを抱えつつ生きる人たちとの出会いと関係のなかから歩みをすすめていくことの重要性を。福永さんは、30年前に取り上げた赤ちゃんも今生まれてくる赤ちゃんも、ちっとも変わっていない、変わったのは社会であり、大人の責任は大きい、との助産婦の言葉を紹介しつつ、現在もつぎつぎと起こる差別事件の原因を掘り下げ、参加者を含めた大人たちの責任を再考するように促した。
  講義のあと、参加者は分科会で講演の感想などを語り合った。部落差別問題を初めて学ぶ参加者が多く、分科会では助言者をおき、より深い部落差別問題との出会いを意図している。アンケートでは「この2日間で感じたことを、寺の檀信徒の方がたに伝えていきます、まずは自分でできる第一歩を踏み出していきたい」など、大部分の参加者から「よい研修の場になった」との回答を得た。京都会場は7月22、23日、真宗大谷派でひらかれる。

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