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部落問題資料室
NEWS & 主張
あいつぐえん罪と人権
部落解放東日本研究集会でシンポ

「解放新聞」(2010.07.26-2479)

取り調べの可視化を訴える
新たな理論築こうと

  【東京】部落解放第42回東日本研究集会が6月24、25日、群馬県みなかみ町でひらかれ、1000人が参加した。今回は「平和と人権の21世紀を創造し、部落解放を展望する新たな理論を築こう」がテーマ。1日目は全体会で、メインは「あいつぐえん罪と人権」をテーマにシンポジウム。2日目は、7つの分科会で活動報告と討議をおこなった。

社会は不安と不満が増大し
  1日目は主催者あいさつを竹之内健次・関東ブロック議長がおこない、「社会は不安と不満が増大し差別事件が多発している。差別撤廃と人権確立の視点にたった社会創りが問われており、私たちのとりくみで展望もひらける。そのためにも松岡とおる2選に向けて全力でとりくみたい」とあいさつ。
  基調報告した和田献一・関東ブロック事務局長は、「部落解放を実現するために「人権教育・啓発推進法」の活用、人権委員会設置のための「人権侵害救済法」制定のとりくみ、さらに「人権保障法」の実現によって社会的セーフティーネットを構築し、生活防衛のための闘いを展望した部落解放を実現していく方向性」を論議してほしいと訴え、「現在の部落差別・人権侵害を生む文化を凌駕する人権文化を創造」するための論議を起こしてほしいとのべた。
  シンポジウムでは、石川一雄さんと管家利和さん、足利の救援会の西巻糸子さんが発言したほか、狭山弁護団の小島好己さんが「えん罪事件とその背景」を解説した。

代用監獄の廃止が必要だと
  司会の片岡明幸・埼玉県連委員長は、取り調べでなぜウソの自白をしたのか、えん罪をなくすために何が必要かなどを質問した。石川さんは、家族や弁護士との接見妨害がつづくなかで、犯人は兄と思い込まされ、一家の経済的主柱がなくなると困るとの思いから自白してしまった。管家さんは、「捜査官の暴力的取り調べからとにかく逃れたかった」とのべ、被疑者を孤立させ、暴力をともなう取り調べで、「自白」においやる状況と心理が報告された。また、不当な取り調べをなくすために、捜査過程の可視化ととともに、代用監獄の廃止が必要だと2人は答えた。


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