曹洞宗主催の「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」が9月14日午後、鳥取県米子市内の総泉寺で、渕英徳・宗務総長を導師に営まれ、100人の読経のなか焼香がおこなわれた。
渕宗務総長は供養のことばで「差別戒名」などについて、私たち曹洞宗の僧侶は、わがこととして率直に反省し、懺悔するとともに差別され続けてきた物故者の諸精霊に、心よりおわびを申しあげる、と表明。あらゆる差別の撤廃と、人権の確立をめざす運動、「差別をしない、させない、許さない」の日常的実践のなかでのみ、宗教者が本来の姿に立ち返ることができると確信し、そのとりくみに精進することを誓った。
また宗務総長あいさつでは、差別戒名墓石、過去帳改正のとりくみを報告。墓石は対象寺院145寺のなか130寺で、過去帳は218寺のなか207寺で改正ずみであり、さらに完全改正へとりくみをすすめる決意を表明した。さらに啓発のとりくみについて、これからは一般壇信徒を視野にいれた教材をつくる方向も示した。
来賓あいさつを組坂委員長がおこない、法要へのお礼をのべるとともに、さらに連携して差別をなくし、人間として尊重される社会をめざし努力する決意を表明した。
法要後、「新たな情勢下の人権政策確立のとりくみ」を組坂委員長が講演、ヒトTリンパ好性ウイルス(HTLV-1)の抗体検査をふくむ総合施策の確立へのとりくみや「人権侵害救済法」、狭山再審の現状ととりくみの方向などを示した。また「私が歩んだ部落解放運動」を中田幸雄・鳥取県連委員長が講演、少年時代からの自分をふり返りながら、解放運動のめざすものを訴えた。
部落解放同盟からは、組坂委員長、地元の鳥取県連、栃木県運、島根県運、広島県連から参加した。
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