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部落問題資料室
NEWS & 主張
仏の人種差別政策に抗議
IMADRが組坂委員長と大使館へ

「解放新聞」(2010.10.25-2491)

 組坂委員長は、9月16日、IMADRの代表とともに、フランス大使館への申し入れをおこなった。これは、フランス政府がロマの人びとの強制送還など、人種差別的な政策をとっていることに、IMADRとIMADR・JCが、サルコジフランス大統領とフィリップ駐日フランス大使あてに要請書を送ったことを受けたもの。
  要請書では、フランス政府が、ロマの人びとや移動生活者、移民にたいして、犯罪対策や治安維持という名のもと、一括的な人種差別的政策をとっていることに強い懸念を表明するとともに、これらの政策を見直し、とくにロマの人びとの強制送還を即刻中止するよう求めている(要請書全文は2485号既報)。
  組坂委員長は、第2次世界大戦時にナチス政権が断行した大量虐殺や侵略戦争も、ユダヤ人やロマの人びとにたいする差別的な排外政策や人種差別からはじまったことを指摘。IMADRの加盟団体でもあるドイツのスィンティ・ロマ中央委員会と部落解放同盟の友好関係が20年以上に渡ることにもふれながら、長年の友人であるロマの人びとにたいする政策を見直すよう要請した。
  これにたいし、フランス大使館のジュール・イルマン参事官は、フランス政府がおこなっているのは、あくまで「不法移民」への対策であると説明した。
  しかしそれは、ロマの人びとや移動生活者、移民を括って「不法移民」としていること自体が問題と指摘し、人権の先駆者として古くから世界の尊敬を集めてきたフランスが、ロマや移民にたいする人種差別的な政策を見直すよう要請した。
  ジュール参事官は、ロマの問題は、フランス政府だけでなく、ヨーロッパ全体の問題であり、今後これらのことについてヨーロッパ全体で話合いをしていく必要があると考えているとしたうえで、サルコジ大統領およびフィリップ駐日大使に要請内容をきちんと報告することを約束し、申し入れを終えた。

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