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部落問題資料室
NEWS & 主張
新潟で初の全研成功
人権諸課題の最先端学ぶ

「解放新聞」(2010.11.22-2495)

 第44回部落解放研究全国集会が、11月9~11日、新潟市内の朱鷺メッセを主会場にひらかれ、41都道府県から5500人が参加し、大きな成果をおさめた。新潟での全研開催は初めてで、地元報告で長谷川均・県連書記長は復興支援で仲間をはじめ多くの人権団体からの物心両面の支援に感謝をのべながら、少数散在の部落をオルグし、今日にいたった途を写真を示しながら報告した。そして、県連組織は小さいけれども、熱い情熱をもって、反差別のリーダーでありたいと決意を語った。1日目、3日目の全体会では、今日の人権諸課題の最先端の問題が報告された。2日目は、分科会とフィールドワークをおこなった。
  土地差別調査事件では、赤井中執が調査会社、広告会社、ディベロッパーの3者構図の差別事件で、土地への忌避事件として明るみになったことをのべ、いよいよ糾弾会の段階に入ったことを報告した。
  救済法への新たな動向を大谷美紀子・弁護士が講演し、06年に制定された「障害者権利条約」の33条で条約監視のための仕組みをもうけること、つまりパリ原則との整合制をもって当事者団体の監視の過程に関与・参加すること、という国内人権機関を条約に直接明記していることを示した。
  企業の社会的責任としてCSRの新たな動向を関正雄・損保ジャパン理事が、今年11月に発行し消費者、労働者、企業の人権を含めた社会的責任を示したガイドラインであるISO26000をもとに詳しく解説した。
  えん罪・足利事件の当事者の管家利和さんは、犯人にでっち上げられていく過程を、自分の体験から報告した。また、それを受けて再審裁判にかかわった松本恵美子・弁護士が、こうしたえん罪をなくすために、全面的な取り調べの可視化、捜査資料・証拠の全面開示が必要と訴え、支援者による暖かい支えが、えん罪者にとって孤立無援のなかから無実を訴え続ける力になる、とよぴかけた。

今後の運動にいかそう
  中央実行委員会の組坂繁之・実行委員長は、新潟で初めて開催される全研に多くの人びとの協力を得て成功に導いたことを強調。人権・平和・環境のテーマを掲げるわれわれの陣営のなかから、松本龍・前副委員長が環境大臣となり、COP10で成果をあげたことはわれわれの誇りとのべた。また、狭山、人権侵害救済法の現段階と課題を報告するとともに、四国のある県で結婚差別で自殺事件が引き起こされたことにふれ、二度とこのようなことを起こさない努力を協働の力でとりくもう、とよぴかけた。現地実行委員会を代表して鯰越縊弘・新潟大学教授は、全体集会や分科会でこれまでの活動経験を披露しあい、悩みを共有し、現実を変革するための英知を学習し、今後の運動にいかそう、とのべた。


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