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部落問題資料室
NEWS & 主張
隠蔽姿勢を続ける
問題指摘受け社長が反省

「解放新聞」(2011.02.14-2506)

 S開発業者による土地差別調査事件にたいする糾弾会を1月19日午後、大阪・HRCビルでおこなった。S社は、①マンション販売で広告会社に調査依頼し、「市内最大の不人気地区と隣接」「学校区も市内最下位校」「ファミリーマンションとしては懸念のある地域性」などの差別報告書をそのまま受け取る②販売広告の現地案内図に「人権まちづくりセンター」を意図的に除いていた疑い③社内アンケートで、客や業者から「地域性や土地柄」「校区の問題」「同和地区の所在地や同じ校区か」などを聞かれ取引が不調になった経験がある、問題がある報告書を見たことがある担当者の存在が明らかになっていた。
  糾弾会では、これらについて①07年に土地を購入し、広告会社に08年に価格決定の参考資料の一つとして、他社が近くでどれくらいで販売しているのか、ということを目的にして依頼をかけた。部落うんぬんまで考えていなかった。近くに同和地区があることは20数年間業界におり、すでに情報を得ていたが、それでもマンション化を考えた②チラシ、パンフの周辺地図も適切かどうかのチェックを怠り、そのまま掲載した点で配慮不足があった③アンケートは、中途採用した社員が過去に、他社で勤務していた時代に類似したことがあったかどうかという関係でとったもので、当社の時代でないとの確認がとれている。今回の報告書以外に問題表現はなかった、などと答え、問題を隠蔽しようとする姿勢を見せ続けた。

地図から意図的に抜く
  このため、①差別報告書に気づかなかった問題②地図を調べればセンターがすぐ近くにあることがわかる。地図の真ん中のセンターを落とし、遠くの公園は書いていることからも、確信犯としかいいようがない③以前にも調査会社の報告書に差別的記載があったのではないか、部落を排除、忌避してきたのではないか、と追及した。
  社長は、これらの指摘を受け、差別調査やこうした広告は今後いっさいしないと断言したうえで、人権・差別問題の必要性をあらためて思いしらされた、差別のない社会に一石を投じる会社にしたい、と反省と決意をのべた。中央本部では、糾弾会を受けての反省文を2月中に提出するよう求めた。
  糾弾会には、岸田副委員長、吉田財務委員長、赤井、辻本の両中執をはじめ、80人が参加。S社側からは社長、副社長、取締役はじめ5人が出席した。


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