神話にしかすぎない話をあたかも歴史的事実であるように国家統治の手段につかった。「紀元節」は、天皇を現人神として賛美し、自国民の優越と他民族への抑圧と支配を正当化し亡国への侵略戦争へと突きすすんだ忌まわしい「祭日」だった。敗戦後、まがりなりにも主権在民の国となったが、アメリカの極東政策の変更は東京裁判で天皇を裁くこともせず政治的なショーで幕を閉じた。何よりも日本人自身が侵略戦争で責任を負うべき人たちを裁くことがなかった。そこに、この国の不幸は始まり植民地支配の清算もすることがなかった。戦後の「建国記念の日」とはそうした日本人の歴史とアジアにたいする認識の反映でもあった。
「東アジアに平和を!問われる日本人の歴史認識「建国記念の日」を考える2月11日集会」が「フォーラム平和・人権・環境」の主催でひらかれた。会場となった東京・千代田区の自治労会館には250人が参加。日本の戦争責任や平和を実現する闘いをあらためて決意する場となった。
集会では「歴史認識と教科書問題」と題して上杉聡・日本の戦争責任資料センター事務局長と厳廣子・東京朝鮮学校オモニ会連絡会代表が「朝鮮高校への高校無償化適用を求めて」訴えをおこなった。主催者あいさつをした福山真劫・代表は、「管政権の支持率低下は33項目の政策合意からの後退がその原因だ。自公政権時代とかわらない。朝鮮高校への授業料無償化にいたっては判断を保留している」と批判。原点にかえった決意とそれを実施していく体制をもとめた。
上杉さんは、第2次世界大戦についてふまえておきたい基本的視点についてのべ、日本人の戦争体験は圧倒的に被害体験だが、アジアの人たちは数倍する被害を受けていることをしっかり認識すべきだとのべた。さらに、植民地支配の清算がいまだにできていないと指摘。朝鮮植民地支配100年の今年、日本軍「慰安婦」や朝鮮人強制連行労働者の死亡者の遺骨返還問題など管政権での打開を期待しているとのべた。
また、教科書の採択時期を迎えていることから、「あたらしい歴史教科書をつくる会」などの蠢動について批判。彼らの目的は教育内容を他国への優越感と排他的なものへと導くとともに、教育主権を教師や地域・保護者子どもから国家へ取り戻そうとする偏狭なナショナリズムの育成にあると批判した。「つくる会」は2派に分裂しているが、それぞれが教科書検定を申請するが、反動的な文部官僚は生きのぴており、検定はとおるだろうとのべた。学習指導要領の改悪により教科書自体が右傾化しており、「つくる会」系団体の教科書採択を阻止をする地域的なとりくみが必要だと訴えた。
厳さんは、日本政府の植民地政策の清算が必要だとのべ、その根本をおき去りにした朝鮮高校授業料の無償化への審査凍結をすみやかに再開し、教育の平等を実行してほしい、と訴えた。
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