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部落問題資料室
NEWS & 主張
えたの身分のくせに
社会科の募制度の授後に

「解放新聞」(2011.02.21-2507)

 【和歌山支局】蔑称語を使った差別発言が、中学校で10月に連続した。9月に社会科の授業で身分制度について学習したあとに発生したもの。教育委員会は、保護者をふくめて、友人関係を見守りながら指導を続けているが、今回の差別発言事件は授業のあり方についても問われている。

生徒同士が「悪ふざけで、つい…」と
  「俺が非人になって、馬でも解体Lとくわ」「えたの身分のくせに」など、和歌山市内のK中学校とT中学校で10月4日と28、29日に生徒による蔑称語を使った差別発言(下記に掲載)があいついだ。いずれも2年生で、社会科の身分制度の授業のあとに発生。生徒たちは「悪ふざけで、つい……」としているが、授業のあり方も考えさせられる問題でもあり、他の中学校でも発生する可能性が高いことも推測される差別発言事件である。
  今回の差別発言に関して、普段から悪口をいい合うことが多かった生徒間で蔑称語が使われていることから、背景に蔑称語が相手をおとしめる意味があるという部分だけを十分に理解して使っていること、日常生活のなかでも使われている可能性も否めない。
  差別発言事件の報告を受けた県連は、「社会科の身分制度はテストに反映されることが少ない。また、道徳で学習する「人権意識・人権問題」もテストで点数を求めないため、生徒にとって面白くない授業は重要な授業ではないと認識しているのではないか」と指摘し、「授業では被差別民の視線ですすめ、生徒に問いかけていく授業をすすめてほしい」と訴えた。

中学校で起きた差別発言事件の経過と概要
K中学校(10月4日)
  体育の時間にAとBが授業見学していたとき
A 「えた、ひにん。ごめんな。やっぱり、大将軍様」
B 「大将軍違う。みんな平民や」
A 「分かった、分かった。俺が非人になって、馬でも解体しとくわ」
T中学校(10月28日)
  教卓前で生徒AとBが押し合ってCにあたった。いい争いのなかでCがBの耳元で「えたの身分のくせに」とAにたいして発言。
T中学校(10月29日)
  終わりの会の時間、Dが美術の時間にAが「えた」といったといいに来る。担任から学推に報告、学推と担任でA・Dから聞き取りをおこなう。


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