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部落問題資料室
NEWS & 主張
新綱領もとに新たな解放運動へ
排除・忌避・孤立を克服する社会連帯の実現に向けて
部落解放同盟第68回全国大会

「解放新聞」(2011.03.14-2510)

 部落解放同盟第68回全国大会を、3月3、4日、東京・九段会館を主会場にひらき、代議員、中央役員535人が出席。14年ぶりに部落解放同盟綱領を全面改正した。新綱領では、部落差別の実態から出発し、幅広い共同、協働のとりくみをもとにした部落解放への道筋を明確に示した。また、2011年度運動方針では、▽地域の生活に密着した運動課題の発掘と具体化のとりくみ、そのための仕事づくりの事業としての組み立て▽「人権侵害救済法」の今国会での制定▽狭山第3次再審の実現▽土地差別調査事件などの糾弾闘争▽統一自治体選挙での勝利▽反差別国際運動を国内・地域で具体化する闘いなどの方向を確認し、異体的実践を誓い合った。綱領改正を契機に、新たな部落解放運動を展開し、「排除・忌避・孤立を克服する社会連帯の実現に向けて、人権・平和・環境を基軸にした部落解放運動を大きく前進させよう」。

救済法制定、狭山再審実現へ方針
  大会では西島中央書記次長が開会あいさつで、地域にしっかり根付いた部落解放運動を、とよぴかけた。水平社宣言を岸田副委員長が朗読したあと、解放歌を全員で斉唱、議長団に古川勉さん(栃木)、川田和代さん(香川)を選出した。
  本部を代表して阻坂委員長が、昨年の参議院選挙での松岡書記長の再選をめざしたとりくみが残念な結果となったが、こうした厳しい情勢のなかで松本龍前副委員長が、第2次菅内閣で環境大臣・防災担当大臣として、荊冠旗を高く掲げ大臣となったこと、そこでの活躍を、まず紹介した。また、「人権侵害救済法」制定へ民主党内で成案を得る状況へいたりつつある現状、狭山第3次再審でさらに証拠開示、事実調べへ向けたとりくみの必要性を語りながら、統一自治体選挙闘争での勝利を訴えた。そして、こうした成果のうえにたって、来年の全国水平社創立90年をむかえよう、とよぴかけた。

政党代表、松本環境大臣が来賓あいさつ
  来賓あいさつを、大谷暢顯(部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会会長、代読 誉田和人・真宗大谷派解放運動推進本部事務部長)▽仙谷由人(民主党代表代行、衆議院議員)▽石被茂(自由民主党政務調査会会長、衆議院議員)▽西博義(公明党政務調査会会長代理、同和対策等人権問題委員会事務局長、衆議院議員)▽重野安正(社会民主党幹事長、衆議院議員)▽古賀伸明(日本労働組合総連合会会長)▽加藤友康(部落解放中央共闘会議議長、日本労働組合総連合会副会長、情報産業労働組合連合会中央執行委員・大会運営委員長が大会の成立を宣言。石川一雄、早智子さん夫妻が狭山再審闘争の支援を訴えた。
  そのあと、一般活動報告を谷元中央書記次長、財務・会計決算報告を吉田中央財務委員長、会計監査報告を吉田信幸中央会計監査委員、中央組織規律委員会報告を竹之内中央阻織規律委員長がそれぞれおこなった。
  午後からは、提案事項として一般運動方針案を松岡中央書記長が、綱領改正案を大野副委員長が、財務方針・会計予算案を吉田中央財務委員長が、それぞれおこなった。

5代議員が全体計論
  その後、午後3時半から3分散会会場で運動方針案、綱領改正案などをめぐって討議をおこなった。
  2日目は、前日の討議をもとに各分散会の報告がおこなわれ、全体討論では福岡、兵庫、大阪、奈良、埼玉の5代議員が、▽本人通知制度▽人権教育・啓発推進法にもとづく計画の策定▽綱領改正にかかわって▽政策立案への参画を▽施策廃止との闘い▽狭山再審のとりくみ、などで意見を表明した。
  これらの討議を受け、松岡中央書記長が分散会で出された意見もふまえ、答弁と集約に立ち、方針、綱領での字句修正とともに本部の考え方を示した。
  採決に移り、報告事項、提案事項をそれぞれ賛成多数で採決した。
  大会スローガンを確認したあと、和田中執が人権侵害救済制度の確立と狭山再審闘争の勝利、池田中執が統一自治体選挙の勝利に向けた決議、福田中執が大会宣言を、それぞれ読みあげて提案、採択された。
  議長団退任あいさつにつづき、岸田副委員長が閉会あいさつ。組坂委員長の力強い団結ガンバローで2日間の大会を終えた。


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