【北陸支局】福井県では、2007年度に「受験報告書」調査が詳細な様式にあらためられたことから不適正な採用選考の実態が表面化している。
　 ４月はじめに福井県連に示された調査の集計結果では、受験した生徒が不適正な選考があったと指摘した件数が、全受験者数にたいして2007年度が10.1％、08年度が5.2％、09年度が6.9％もあった。違反項目で最も多いのは面接時の「家族の状況」の質問で、ついで「短所・喫煙・友好関係」や「尊敬する人物」の質問。また07年度では13件（２事業所）が戸籍謄（抄）本の提出を求めていた。
　 一方、事業所数でみると、違反事業所は全受験事業所にたいして07年度が15.7％、08年度が11.8％、09年度が12.5％と、依然として１割をこえている実態が明らかになった。
　 県内の違反事業所をハローワーク管内別にみると、福井、武生、大野、三国の４管内・嶺北地区の合計で全体の７割以上を占めている。07年度が80.0％（72事業所）、08年度が92.3％（72事業所）、09年度が75.7％（56事業所）。
　 福井県連が１月20日におこなった福井労働局への調査で、これらの管内では公正採用選考人権啓発推進員の研修が実施されてこなかったことが判明しており、労働局の指導強化が求められる。