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部落問題資料室
NEWS & 主張
高裁前の訴え再開
証拠開示と公正裁判求め

「解放新聞」(2011.06.13-2522)

布川の桜井さんもともに闘うと激励に
  一昨年9月から断続的におこなわれている3者協議は、裁判所からの8項目にわたる開示勧告で大きな転換点を迎えた。すでに検察は5項目48点の証拠開示をした。しかし、肝心の証拠3項目が未開示のままになっている。とりわけ、検察が殺害現場とする場所でのルミノール血痕検査報告書が「不存在」として開示に応じていない。検察はみずからが客観的に殺害現場を立証できないという矛盾に陥っているのが現状である。裁判所は検察のいう証拠の「不存在」の理由を求める事能になっており、弁護団も脅迫状の筆跡に関する新たな証拠を提出。裁判所自体が証拠調べをおこなわざるを得ない状況を迎えている。
  6月2日からは当面、週1回の東京高裁前情宣を再開した。この日は雨模様の天気。ビラを配る人も受けとる人も大変だったが、石川一雄さんと早智子さんのほか、埼玉県連と県南支援する会、東京都連の仲間たち15人とともに、決意を新たにとりくんだ。参加者はつぎつぎにマイクを握り、それぞれの思いも込めて再審開始を訴えた。
  昼の情宣には布川事件の再審裁判で無罪判決を勝ちとった桜井昌司さんも激励にかけつけ、「証拠隠しをやめてほしい。検察は、変わってほしい」と訴えた。
  石川さんは、「証拠は検察のものではない。国民の税金で収集されたもの。証拠隠しをやめて公正な裁判をしてほしい」。検察にたいしては「殺人犯のレッテルをはがすためにもせめてあと3項目を開示してほしい」と訴えた。早智子さんは、うちつづくえん罪事件での検察の姿勢を批判。「布川事件も44年前に証拠が出されていればこんなに長い間苦しむことはなかった。
  「えん罪は2度と許さない」という国民の声を検察、警察にとどけてほしい。狭山事件の証拠を1日も早く開示してほしい」と道ゆく人たちへ立ち上がりを訴えた。
  激励に駆けつけた桜井さんは、「裁判所は判決の翌日には検察に判決謄本を渡しているが、弁護団にはまだ渡していない。まったく反省の色がない」と批判。
  「狭山事件の全証拠の開示をすべきだ」と石川さんとともに闘う力強い訴えをおこなった。

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