就職差別の共闘を強化し、各地でとりくみを前進させよう
1
厳しい雇用情勢が続いているが、そのなかで就職差別撤廃のとりくみを強化する必要がある。求人倍率が低く求職者の立場が弱い今日の状況では、就職差別撤廃の視点がおろそかにされたり、就職差別がおこなわれる危険性が高まる。これまでのとりくみの蓄積が、なし崩しにされないようとりくみを強化しよう。
連合は就職差別撤廃の課題にとりくむため、08年に「採用選考に関する実態把握のためのアンケート調査」を実施、その結果をふまえ、09年にひらかれた第11回定期大会の運動方針に「就職差別の廃絶に向けた取り組みを進める」ことを明記した。
部落解放中央共闘会議も1993年と2000年に同様のアンケート調査をおこない、毎年6月を「就職差別撤廃月間」と位置付け、啓発資料を作成し配布しながら、各職場・地域での創意工夫したとりくみをよぴかけてきた。それらのとりくみに加え、労働組合のナショナルセンターである連合がとりくみを開始した意義は大きい。この機会を活かし、就職差別撤廃について、労働組合との共闘を各地で大きく前進させていきたい。
2
連合の実施したアンケート調査の結果でも、いまだに多くの「統一応募用紙」違反があることが明らかになった。また、アンケートに回答した労働組合の役員が「統一応募用紙」の趣旨を「知っていた」割合が4割にとどまり、今後のとりくみの必要性も明らかになった。3
ここ数年でも、行政書士などによる戸籍等大量不正取得事件、新たな「部落地名総鑑」発覚と電子情報化された「地名総鑑」発覚(07年)など、結婚や就職の差別身元調査に結びつく深刻な実態がつぎつぎと明らかになっている。このような状況をふまえ、あらためて「統-一応募用紙」の趣旨を周知徹底し、就職差別を防止するとりくみを強化しなければならない。
また自治体関連でも04年の新潟県をはじめ、06年は長野県、福井県とあいついで「統一応募用紙」違反が多数発覚した。部落解放同盟として、また部落解放中央共闘会議としてもこの事態をふまえ、総務省や厚生労働省へとりくみ強化を申し入れてきた。
この間の働きかけの成果として、総務省と厚生労働省が連携を強めとりくむようになってきた。そして、ハローワークの実施する「公正採用選考人権啓発推進員」向けの研修会に、白沿体からオブザーバー参加が可能だということが正式に決まり、総務省から文書で、各都道府県を通じて、各市町村に紹介された。
埼玉県では、この間のとりくみの成果として、民間企業と同じように各市町村自治体にも「公正採用選考人権啓発推進員」が設置され、研修への参加が実現している。このようなとりくみも全国に広める必要がある。これらの課題をふまえ、労働行政や自治体、教育関係者、企業のとりくみと合わせて、労働組合のとりくみを促進し、就職差別撤廃の共闘を前進させよう。
「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)