部落解放運動の原点である識字運動を各地で展開しよう
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今年3月、全国識字実態調査実施委員会から「2010年度・全国識字学級実能義査」報告書がだされた。中央本部と全国隣保館連結協議会との協力によっ
ておこなった調査なのだが、まずは、その報告書によって明らかとなった識字運動の現状を明らかにするところからはじめたいと思う。
調査票が回収された都府県の数は22。そのなかで学級数の多い府県は大阪24%、福岡18%、奈良15%、兵庫・和歌山・徳島7%、三重・高知5%といった状況で、この8府県以外はいずれも2%台以下ということになっている。
なお、上位3府県(大阪、福岡、奈良)の合計だけで学級数の過半数を占めていることが分かるのだが、同じことを識字学級を開設している隣保館の数からみても、ほぼ同じ傾向をうかがい知ることができる。実際、館数で最大なのが大阪の27館で、奈良が18館、福岡が15館という実状なのだ。
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ところでこの識字学級の開設館の合計数は現在130館というのが実際なのだが、これを1983年調査と比較してみると、当時は292もの館で識字学級が開設されていた事実があったのだ。この間、約30年の間に、じつに162館もの館で識字学級が閉鎖されてきたことが分かるのだ。なかには識字学級がまったく新たに設置された隣保館も8館あるにはあるようなのだが、あくまでそれは例外的なものであって、ここに示されている数値には驚くべきものがあるといえようか。3
今回、調査票を回収した学級全体の学習者数の総数は2745人であったが、これを都府県別でみると福岡、大阪、奈良、徳島、兵庫の5府県だけで全体の4分の3以上を占めていることがわかってくる。
男女の内訳は、男性23%、女性77%となっており、女性学習者しかいない学級が約4割に達しているということがわかってきているとともに、年代があがるにつれて女性学習者の割合が高まっていっていることもまた明らかとなっている。また、識字学級の国際化が急速にすすみつつある。識字学級の学級生のなかには、韓国人2%、中国人4%、そのほかにも9%もの外国に籍をもつ学習者の存在があることも、あらたにわかってきたのだ。
さて10月15、16日の2日間、兵庫でおこなわれる識字経験交流集会では、このような調査結果をもふまえて、識字学級の近未来像を大いに語り合いたいものだ。
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