脱原発が課題に
11月4日から6日まで、「震災から考える、『人間の安全保障』で『生命の尊厳』を~憲法理念の実現をめざす第48回大会(護憲大会)」が、山形市のビッグウィングをメイン会場にひらかれ、初日の開会総会には全国から2500人が集まった。
主催者を代表して江橋崇・実行委員長は、「東日本大震災で平和フォーラムが今後何をすべきか考えさせられた」と強調し、いまだに政権交代の成果がほとんどあらわれていないが脱原発や人権救済機関設置などの実現が大きな課題だとのべた。
震災と「人間の安全保障」をテーマとしたシンポジウムでは、パネリストに橋本拓子さん(生協あいコープふくしま理事)、高橋英雄さん(石巻市の水産加工会社代表取締役)、玉城義和さん(沖縄県議会副議長)がなり、江橋崇・平和フォーラム代表(法政大学教授)をコーディネーターとして討論した。
橋本さんは、「郡山市などでも放射線が生活に大きな影響を与えており、子どもの将来が不安」とのべ、原発事故が人災であることがわかり闘う相手が見えることで前向きになれたと語った。また、「福島にいくな、食べるなは間違い。放射線をきちっと測定し数値で判断してほしい」と訴えた。
高橋さんは、津波被害の状況を生なましく語り、水産業者7000人が職を失ったことや、糞尿処理も回復しておらず海に流している実態を報告。まだまだ支援が必要だと訴えた。
玉城さんは、普天間基地の問題は、橋本首相の時に沖縄県の承諾がないまま日米政府が辺野古への移設を合意したことが間違いのはじまりだと指摘。政府は沖縄を説得するのではなく米国を説得すべきだと強調、轢き殺されても犯人の米兵は裁かれないという不条理を糾弾、かわりに基地を受け入れる都道府県は無く、安保条約をはじめ国民的議論をしっかりすべきだとのべた。
2日目は、「地球環境と脱原発」、「教育と子どもの権利」、「人権確立」、「歴史認識と戦後補償」、「地方自立・市民政治」、「安全保障」、「憲法」の7分科会、福島と宮城の2つのフィールドワークなどがおこなわれた。
人権の分科会も
人権確立の分科会では、西島書記次長と伊藤和子・弁護士(ヒューマンライツ・ナウ事務局長)が問題提起。西島書記次長は、部落解放同盟としての震災に関する支援活動を報告、「人権侵害救済法」と「狭山再審」が正念場を迎えていることを語り世論喚起などとりくみを訴えた。
伊藤さんは、「人権の視点から見た被災者支援と復興」をテーマに語り、災害の影響を最も受けやすい脆弱な人びとにたいする配慮と特別な支援が必要だと強調した。
最終日の閉会総会は、岩手、福島の被災地からの訴えや上関原発阻止の闘い報告などがなされ、大会のまとめがなされた。
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