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部落問題資料室
NEWS & 主張
人権教育を全国へ
27年ぶりに鹿児島で大会

「解放新聞」(2011.12.12-2547)

実践をふまえて
  「みんなで創ろう人権文化 みんなで築こう人権社会~〝より深くかかわるいとなみを″南風にのせて~」を地元大会テーマにかかげた第63回全国人権・同和教育研究大会鹿児島県大会が、11月26、27日に鹿児島市・鹿児島アリーナを主会場にひらかれ、全国から9500人が参加。あらためて「差別の現実から深く学び、生活を高め、未来を保障する教育を確立しよう」という大会テーマを確認しあう実践交流がおこなわれた。
  全国人権教育研究協議会 (石村栄一・代表理事)と鹿児島県実行委員会(荒木繁治・委員長)が主催したもので、1984年の第36回大会から27年ぶりの鹿児島での大会となった。今回は島差別の現実にも向きあい奄美市で全体会と分散会をもった点が注目された。
  石村代表理事は、福島原発の事故にふれ、「「放射能がうつる」などの露骨な排除が各地で続発。この排除の背景こそが、部落差別をはじめ、さまざまな人権課題を克服しきれていない現実の姿」と指摘し、「さまざまなとりくみが、さまざまな展望をみせる」と実践を踏まえた交流をよぴかけた。また、荒木委員長は「子どもの息づかいが聞こえるような論議を」と訴えた。
  中川正春・文部科学大臣(白間竜一郎・児童生徒課長代読)、伊藤祐一郎・県知事など6人が来賓あいさつ。部落解放同盟の組坂繁之・委員長は、「人権侵害救済法の制定」のとりくみや狭山再審闘争の状況を説明して「みなさんと固く手をとりあって差別をなくすため全力をあげてがんばりぬく」と、決意を表明した。
  基調提案、大会宣言の採択をした後、「かごしまの同和教育とわたしの生き方」をテーマにリレートーク形式で3人が特別報告をおこなった。このなかで家業の太鼓店を継いだ県連青年運動部長の宮内礼治さんは、部落解放高校友の会や先生との「出会い」について語り、同和教育の確かな歩みを明らかにした。
  分科会は、初日の午後から2日目にかけ、鹿児島市19会場、奄美市2会場でおこなわれた。また、鹿児島市中央公民館では2日目に狭山事件を考える霧島住民の会が、狭山事件パネル展をおこない、300人の大会参加者がつめかけた。
にぎわった人権の夕べ
  大会初日の11月26日夕方からは、人権の夕べというイベントが、鹿児島市の表玄関口となる鹿児島中央駅アミュ広場でおこなわれ、特設会場には数百人の観客がつめかけた。
  奄美民謡の歌手である永志保(ながい・しほ)さんが島唄、奄美大島の戸口出身で鹿児島市在住者を中心にした親睦団体・鹿児島戸口郷友会が八月踊りを披露したほか、営丸太鼓店の宮内礼治さんとしょうがい者支援施設ふるさと学園の蘭係者が和太鼓の演奏をおこない、観客から盛んな拍手がおくられた。

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