証拠開示の法制化を求める100万署名を3月末までに達成しよう
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狭山再審を開始すべきだという
世論を大きくする運動の前進を
2011年12月14日に、東京高裁第4刑事部の小川正持・裁判長、東京高検の担当検察官と狭山弁護団の弁護人が出席し、狭山事件の第9回3者協議が東京高裁内でおこなわれた。前回の3者協議で、検察官はスコップの指紋検査報告書など弁護団が求めた証拠について「不見当(見あたらない)」と回答したが、関連する付着物の鑑定にかかわる証拠の存在は認めた。また、弁護団が8月9日付けの意見書で開示を求めた鞄、万年筆、腕時計の3物証にかかわる証拠の開示について、小川裁判長は検察官に検討を促した。
とくに、万年筆など3物証は、石川さんの自白通りに発見されたとして、自白が信用でき有罪の根拠とされているものであり、これらに関わる証拠開示は重要であり、弁護団が開示を求めるのは当然である。弁護団は、10月4日付けで開示勧告申立書を提出し、3物証についての取り調べメモなどや、3物証の捜索、発見に関わる捜査報告書や供述調書、被害者の所持品と同一かどうかの確認などに関わる証拠の開示を求めていた。また、殺害現場を特定するための捜査書類一切や開示された取り調べ録音テープの分析から取り調べの際に書かれたが供述調書に添付されなかった万年筆の隠し場所の図面の開示も求めた。
第9回3者協議で、検察官は、3物証に関わる捜査報告書や供述調書およびスコップ付着物に関する証拠を14点開示した。一方、殺害現場についての自白を裏付け、特定するための捜査書類や万年筆の隠し場所の図面などは「不見当」と回答した。弁護団の求める証拠開示はまだ十分に実現していないということを忘れてはならない。
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2009年の開示勧告を受けて、2010年の証拠開示以来、追加の開示もおこなわれ、50数点の証拠が開示された。とくに、石川さんが逮捕当日(1963年5月23日)に書かされた上申書は、当時の石川さんの筆跡、国語能力が脅迫状とまったく異なることを示す無実の新証拠である。弁護団は、これらをもとにしたあらたな筆跡鑑定書3通をすでに提出している。3
次回の第10回3者協議は4月に予定されている。弁護団は開示された上申書や録音テープに付された番号を整理し、未開示の証拠物が存在するのではないかと指摘し、開示を求めるとともに内容を明らかにしてほしいと求めている。これも重要だ。1998年に東京高検の検察官は手持ち証拠は2~3メートルあると答えていたのである。まだ多くの証拠が東京高検に眠っているといわざるをえない。弁護団は、検察官の意見書にたいする反論の意見書を提出し、徹底した証拠開示を求めている。東京高裁は証拠開示を積極的に促し、東京高検は誠実、公正に証拠開示請求に応えるべきだ。
わたしたちは、証拠開示の法制化を求める署名運動に全力でとりくみ、3月末までに100万を達成しよう。通常国会でえん罪をなくす司法改革を求めていこう。
また、弁護団は開示された証拠の精査、検討をすすめ、新証拠をさらに提出するとしている。検察官も弁護団側の鑑定に対抗する鑑定書の提出を予定しているという。対立する鑑定書が出されればなおさら鑑定人尋問などの事実調べは不可欠であろう。
弁護団はこれまで筆跡、スコップ土壌、殺害方法などについて専門家の鑑定書を提出している。自白の核心である殺害現場の疑問も深まっている。東京高裁は、鑑定人尋問やOさんの証人尋問などの事実調べをおこなうべきである。東京高裁に事実調べ、証拠開示を求める世論を強め、要請ハガキなどにとりくもう。
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