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部落問題資料室
NEWS & 主張
露骨な違反事例示し
家庭訪問や威圧的な面接も
「統一応募用紙」「職安法」違反で労働局・県教委・市教委と交渉

「解放新聞」(2012.04.02-2563)

   【新潟】県内の高校3年生の就職試験にあたり、露骨な「統一応募用紙」趣旨違反-「職業安定法」違反事件が発覚している。2010年秋の就職試験では、面接試験当日の夜に生徒宅を家庭訪問して家族構成などを調べた金融機関があることが上越地方で判明。面接時に違反質問や威圧的発言を浴びせて生徒を何人も泣かせた新潟市内の株式会社の存在も判明している。
  これは新潟県同和教育研究協議会(県同教)の進路保障部会が96年度から毎年実施している「新規高卒者採用選考にかかわる実態調査」をとおし、発覚したもの。調査結果をふまえ、新潟県人権・同和センターは、公正採用の徹底、進路保障の徹底を求めて関係行政機関に要請書を提出し、2月21日に新潟労働局と、3月16日には新潟市教育委員会、新潟県教育委員会と交渉した。

違反用紙容認した県労働局
  金融機関A社の家庭訪問(身元調査)事件については、交渉で、新潟労働局の職業安定課長(昨年の上越公共職業安定所長)は昨年の指導状況などを報告。▽A社は内定前の家庭訪問などは否定したが、内定後の家庭訪問は以前からしてい
た▽06年には妙高公共職業安定所(当時)が、A社による内定通知後の家庭訪問や面接時の「統一応募用紙」以外の書類提出を容認する回答をA社にしており、この対応は間違っていた。家庭訪問は内定後でも身元調査そのもの、「統一応募用紙」以外の書類提出も認められない▽指導し、今後はしないとA社が文書回答、などとした。
  株式会社B社の威圧的面接事件では、労働局は▽受験者を特定させない配慮のなか具体的に指摘できず、B社は事件を否定した。しかし翌11年度の受験者も同様の報告をしており、面接内容に問題があると考えざるをえない▽自己点検資料を示して再点検を求め、確実なとりくみを求めた。次年度は採用選考開始前に個別指導する、など語った。

無理解で反省もなく研修不参加
  労働局の回答にたいし、▽A社の文書回答は、指摘されたから今後はしない、という程度。無理解で反省もなく研修にも不参加▽06年の妙高公共職業安定所(当時)の対応はなぜか。職安のこれまでの指導の検証を▽研修内容や指導方法の再検討を、など指摘し、実効性ある再発防止策を求めた。
  新潟県教委や新潟市教委へは、個別事件への見解を求めるとともに、A、B社の事件でも判明した、公正採用選考を理解せずハローワークに報告をあげない校長の存在などを中心に追及。就職試験を受けた生徒から聴取して教員が記入し、ハローワークに提出する「就職採用試験チェック・連絡票」の徹底へ、具体策を求めた。


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