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部落問題資料室
NEWS & 主張
平和・人権の実現願い
65周年の憲法記念日にシンポ

「解放新聞」(2012.05.21-2569)

「サンフランシスコ条約」「(旧)安保条約」60年、沖縄「復帰」・日中国交回復40年に
  施行65周年の憲法記念日集会を5月3日午後、フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)が日本教育会館でひらき、650人が参加。「サンフランシスコ条約締結60年 今、日本は!-日米・日中関係から考える-」と掲げてシンポジウムをおこない、日本国憲法に込められた願いの実現へ活発に議論した。
  パネリストは、平岡秀夫・前法相(民主党、衆院議員)、「女たちの戦争と平和資料館」の渡辺美奈・事務局長、服部良一衆院議員(社民党)、大河原雅子・参院議員(民主党)の4人。
  平和フォーラムの江橋崇・代表(法政大学教授)が進行役をつとめ、主催者あいさつもかねて問題提起。「憲法記念日」を「明治節」と同日の公布日とせず施行日にした経緯からも国民主権の願いを示し、今年は「サンフランシスコ講和条約」と「日米(旧)安保条約」から60年、沖縄「復帰」と日中国交回復から40年、「日本の進路はどうあるべきか。憲法の平和、人権、国民主権の願いをどう実現するか」と提起した。
  平岡議員は、非核化をめぐる6か国協議を、EUを参考に東アジア共同体的な「複合的相互依存関係」につなげたいと語り、「防衛大綱」の「動的防衛力」の概念-在日米軍再編見直しの中間報告(4月27日)にある「動的防衛協力」の危険性を指摘、「仮想敵国を前提とした安全保障ではダメだ。軍拡競争を引き起こしてはいけない」と訴えた。「憲法改正」を煽る勢力の「改正案」には、「国民が権力を縛るのが憲法の本質。いずれもその逆方向だ」と強く批判した。
  渡辺さんは、「歴史認識や戦争責任の問題が、日本が信頼を構築できない大きな理由の一つ」と語り、日本軍「慰安婦」問題を中心に提起。昨年の韓国・憲法裁判所の決定も受け、いま解決への3度目の好機にあるとし、「決着をつけ、次世代にアジアと友好関係を築く礎を。この解決は全世界に貢献できる」と訴えた。
  服部議員は、沖縄の基地問題を中心に提起。「地位協定」の問題を訴えるとともに「沖縄施政下の米軍は、日本国憲法がある日本本土から直接ベトナム攻撃にいけず、沖縄に一度降りていっていた。それがいま、日本国憲法下の沖縄から直接イラク攻撃にいく状況だ」と語り、とくに「集団的自衛権」が強行されないよう強い警戒を訴えた。
  大河原議員は、TPP反対を表明し、女性差別、原発、戦後補償、八ッ場ダム問題などをあげ、日本国憲法下で長引いた自民党政権時代を総括するよう強調。
  「この国は世界水準の国になっているか。いまこそ自己批判を。地球を覆う格差是正に憲法を使いたい。アジアの国ぐにと和解し、憲法を伝えたい」と語った。

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