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部落問題資料室
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全国高校生集会の成功へ力をつくそう

「解放新聞」(2012.05.21-2569)

 今夏の7月30、31日、部落解放第44回全国高校生集会を三重県鳥羽市でひらく。三重県での開催は、現在の高校生集会に名称を変更するまで、全国奨学生集会として最後に開催した1997年の第29回全奨いらい15年ぶりとなる。
  三重県では、この第29回全奨を契機に、さまざまな人権問題にとりくむ高校生のネットワークである反差別三重県高校生友の会が結成され、県内各地で高校生活動が活性化し、いらい全高への積極的な参加が継続されている。

 近年、子ども会、高校生、青年など若年層を対象とした組織化と活動の活性化が全国共通の課題となっている。もちろん、少子化の影響もあり、対象となる当事者の減少というのも一因ではあるが、スケジュール消化が目的化し、高校生の実情やニーズをふまえた、創意工夫したとりくみがおこなわれているか、各地でとりくみの再点検が必要であろう。
  また、一般的にメンバーの多くが3年で入れ替わるという性格上、活動を定着させ、継続していくために、特定のリーダーに頼ることなく、側面から支える青年部など地域の大人のかかわり方も重要になる。
  さらに、高校生活動から青年部活動に繋げるとりくみなど、長期的なビジョンをしっかりと描いた活動の展開が求められる。

 今日、若年層の直接的な被差別体験は減少している。
  しかしながら、全高の分科会などでは、いまの時代を生きる彼らなりの感性をもとに、地域や学校でのイジメや差別、人権侵害について、真剣な議論が交わされており、差別にたいする怒りが小さくなったり、失われているわけではない。
  また、長引く不況と雇用形態の変化は、進路選択にも大きな影響を与えており、昨年の集会では、将来にたいして漠然とした不安を口にする高校生の姿も見受けられた。
  各地で、高校生の実態把握をおこない、差別の現実を明らかにし、差別と人権侵害にたいする怒りを結集軸とした活動の再構築を図っていこう。

 政府による朝鮮学校の高校無償化からの不当な排除、原発の放射能汚染から避難する福島県の人びとにたいする忌避など、日本社会が抱える病は、依然として根深いことが明らかだ。
  各地で、反差別の心をもち、あらゆる差別の撤廃と人権侵害をなくすためにとりくみをすすめる、次代の担い手である高校生の活動を支えていこう。
  そして、第44回三重全高を成功に導き、全国の高校生の新たな飛躍の場とするために、多くの高校生が結集し、日頃の各地のとりくみ成果と課題をもち寄り、活発な交流と議論を深めよう。


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