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部落問題資料室
NEWS & 主張
「家族の勤務先」の聴取必要と
県行政書士会の会報に問題記事が

「解放新聞」(2012.06.18-2573)

公正採用選考を否定責任をきびしく追及
  【兵庫支局】兵庫県行政書士会の会報「行政ひょうご」に、「人権侵害」のタイトルで公正採用選考を否定する内容の文が掲載されていた問題で、県行政書士会との第2回目の話し合いを5月2日、兵庫人権会館でおこなった。
  問題になった文は、県外の匿名の方から「会報の連載記事に問題がある」との知らせを受けた大阪の部落解放・人権研究所を通じて県連に一報が入り発覚。問題の文は、会員であるN行政書士が「行政ひょうご」の2012年1月号の連載記事として執筆したもの。
  話し合いでは、N行政書士の執筆文にふくまれる問題を糾す一方、なぜこのような文が出てしまったのかを県行政書士会に問い、問題点についての認識の足りなさやチェック体制の不備などが明らかとなった。

【「行政ひょうご」に掲載された問題の文(要約)】
  タイトルは「人権侵害」。「行政書士の評判を落とす様ですが、私は人権侵害とはどういったものか、あまりよく解っていません………」という挑発的な文ではじまる。
  主な内容は、公正採用選考に関するもので、①兵庫労働局が「採用選考時において特に配慮すべき事項」(就職差別につながるおそれがある14項目)として示している「家族の勤務先」の聴取を、面接の際におこなってきたこと②事業運営上合理的な理由があれば「家族の職業」を理由に採用しないからといって、それが人権を侵すとは考えていないこと③ハローワークに出すみずから経営する事業所の求人票の応募資格要件に「家族の職業」を設定したが、不受理になり、それを不服として審査請求をおこなったこと、などが書かれていた。
  また人権侵害については「人権侵害と指摘されても、本人にはその覚えがないので、不安に感じ萎縮する人も多い。人権侵害に関する世の多数の認識は、識者や人権に携わる人の認識より狭く、まだ整理されていない。そもそも人権を発信する側でも、それを明確に解っている人はどれぐらいいるのだろうか。国のとりくみも、何を問題として、どこを目指しているのか。社会にある不公正までも人権問題として取り除こうとしているのであれば、少し行き過ぎ。人権へのとりくみを行き過ぎると社会が弱くなってしまう」。
  さらに、ハローワークの啓発冊子については、「差別、人権侵害という言葉が何回も何回も使用され、読む者の不安を煽っている。冊子にある基調で他の人権のとりくみもおこなわれているのだとすると、社会が人権に萎縮してしまう」としている。


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