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部落問題資料室
NEWS & 主張
2度目の差別街宣は阻止
川東が再度水平社博物館へ

「解放新聞」(2012.12.03-2596)

 【奈良支局】水平社博物館前で差別街宣した川東大了が、この6月に奈良地裁で名誉毀損で慰謝料の支払いを命じられたにもかかわらず、11月1日に水平社博物館に「11月3日に同様の場で街宣をする」と電子メールで通告してきた。同11月3日午前11時40分ごろ、川東が車を停めたところで、本人から連絡を受けて待機していた奈良県警察署員が詰め寄り、事情聴取で高田警察署へ任意同行を求め、本人が応じた。県警は、「公序良俗に反し、混乱を生じさせる」という判断で街宣中止を求めたという。

悪質な街宣を許すな
  川東は、昨年1月22日に水平社博物館前で聞くにたえない差別街宣をおこない、水平社博物館にたいしても「エッタ博物館、非人博物館」と罵声を浴びせた。これを受けて、財団法人奈良人権文化財団(旧名称・財団法人水平社博物館)が原告となって民事提訴し、奈良地裁は今年6月25日に被告・川東が発した言葉が差別用語であることは「公知の事実」であり、水平社博物館の名誉を毀損したとして、川東に慰謝料の支払いを命じている。
  この事件を提訴する前に、県連と水平社博物館は奈良法務局に提訴し対応を求めたが、何ら有効な手立てが講じられなかった経緯があり、県連としては、現行の人権擁護行政は人権擁護委員の方がたの労苦にもかかわらず、人権侵害を解決する仕組みが十分に機能していないと考えている。
  また、民事裁判で敗訴した川東が11月1日に水平社博物館に街宣を通告してきたメールのなかで、「私は差別をなくすことを目的に活動をしており、これまでに差別したことはありません」と書き、まったく反省する態度を見せていないことは、金員による慰謝料請求を求めるしかない現行の司法制度が、差別や人権侵害の加害者の意識変革になんらの有効な手立てを講じられていないことを証明しており、人権侵害救済制度の確立が求められている。また、現行法では規制できない差別煽動を取り締まる差別禁止法、もしくはヘイト・クライム法の実現をめざして、運動の強化が求められている。


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