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部落問題資料室
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主張

 

運動方針案を各級機関で論議し、大会でさらに深めていこう

「解放新聞」(2013.02.18-2608)

 私たちは、かつてない厳しい反動攻勢と新自由主義経済のなかで、いのちと生活を奪われてきている。
  この間、尖閣諸島をめぐる「領土問題」で、「海上自衛隊の護衛艦に、中国の軍艦が射撃用の火器管制レーダー(艦艇や航空機から砲撃やミサイルを発射する直前に、目標の位置や速度を正確につかむために使用される)を照射した」とすることを防衛省がタイミングを捉えて公表。一触即発の事故から戦争がおきかねない、などと偏狭なナショナリズムを安倍政権は煽りはじめた。そのうえで、集団的自衛権の枠組みの拡大、国防軍の設置、手続き問題に焦点を当てながら憲法改悪をめざすなど、戦前の「日本を取り戻す」策動を開始しようとしている。
  いま、世界を席巻しているのは、市場原理主義にもとづく新自由主義であり、グローバル化のなかでそれは世界的な規模で格差の拡大、差別や貧困の拡大・深化をもたらしている。1%の富裕層が99%の貧困層を生みだしている。安倍首相のいうアべノミクスは、新自由主義を予算のばらまきを通じて補完するものにほかならない。

 この状況をどう把握し、部落解放運動として何をどう切り開いていくのか。
  2013年度一般運動方針案(第1次草案)は、基調方針のなかで、コンパクトに国内外情勢、差別の実態、今大会の意義と任務、13年度の重点課題を提起し、課題別の闘いの方向も示している。
  基調方針の「大会の意義と任務」では、①世界的に拡大する格差・貧困問題と雇用不安に抗して、社会連帯のとりくみをすすめよう②人権・平和・環境を基調にした政治の実現に向けて闘いをすすめよう③組織の運動の改革・強化に向けて、全国的な論議を展開しよう、の3項目をあげている。
  ①では、再度国内外情勢の特徴を捉え、格差・貧困問題の解決のためにも社会連帯の重要性を訴えている。②では、人権・平和・環境をめざす政治の実現へ力を尽くすこと。③では、組織の改革・強化へ、これまでのとりくみの継承発展と同時に、克服すべき誤りや弱点を隠蔽することなく真摯に教訓化することを提案している。
  そして今期の重点課題として、▽人権侵害救済法のとりくみの再構築と実現▽狭山事件の闘い50年を迎え、証拠開示・事実調べの実現から再審開始へ闘いを高揚させる▽『週刊朝日』差別記事事件に象徴的にあらわれているようなマスメディアのなかの人権にたいする感覚や意識の劣化が社会的にすすみ、差別・排除が強化されている現状の糾弾闘争を通じた変革、があげられている。

 こうした方向性をもとに、さらに深化した闘いのためには、何がどう必要か、あるいは、何をどうすべきか。各級機関で、大胆に、今後の部落解放運動のあり方や路線もふくめ、論議を積み重ねよう。それを第70回全国大会にもち寄ろう。「よき日」をめざすために、大会での活発な論議を期待したい。
  運動方針案は、第3回中央委員会(2月12日・大阪)で論議を重ね、大会での本格論議へ引き継がれる。年に1回の全国大会は、部落解放運動の方向を論議し、決める重要な討論の場である。
  部落解放運動の大きな前進へ、同盟員一人ひとりが方針案を熟読し、各級機関での論議をすすめ、代議員を送りだそう。それをもとに「厳しい情勢を乗り越え、運動と組織の改革・強化にとりくみ、人権・平和・環境と社会連帯を基軸にした部落解放運動の闘いを大きく前進させよう」。


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