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部落問題資料室
NEWS & 主張
同朋運動60周年迎え再確認を
浄土真宗本願寺派奈良教区が集い

「解放新聞」(2013.03.04-2609)

 【奈良支局】浄土真宗本願寺派の奈良教区が部落差別からの解放をめざして1952年に結成した奈良同朋会の60周年を機に、同派の奈良教区基幹運動推進委員会が新たに研修テキスト「改訂同朋教団のよろこび」を出版した。これを記念し、12月8日、橿原市の県社会福祉総合センターで「御同朋の社会をめざす集い」をひらき、御同朋の社会をめざす運動は宗祖・親鸞聖人のみ教えを実践しようとする運動であることを再確認した。
  集いでは、奈良教区教務所の菅原良成・所長があいさつしたあと、龍谷大学の赤松徹眞・学長が「私たちの教団と同朋運動」と題して基調講演。赤松学長は、差別問題にたいし性差別を例にあげ、すべての人が当事者であり、「私は関係ない」とする第3者的な無責任論的立場や、何なには「永遠の課題」だとして、実際には目前の現実に応えようとさえしない観念論は、現実の差別を温存・助長する差別論であるとして、厳しく点検・批判していく必要があると強調、差別をみずからの課題とし、その解決へ向けて具体的な活動をはじめるべきだとのべ、同会として、あらためてあらゆる差別を許さない教団・教区づくりをめざしてとりくむことを確認した。
  「奈良県の解放運動における同朋運動の役割」をテーマにしたパネルディスカッションでは、辻本正教・県連副委員長が、「同朋教団のよろこび」のなかに、1996年1月24日に本願寺奈良教堂でおこなわれた点検糾弾会で「「悪人」とはそもそも何か」を問う議論で悪人とは上人の著作『唯心抄文意』のなかにある「屠沽の下類」、つまり中世被差別民のことを指すという共通認識ができ、その後の糾弾会で大きな成果を残したことなどが記されていることを紹介し、県連と奈良教区との間の厚い信頼関係を強調した。

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