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部落問題資料室
NEWS & 主張

部落完全解放―人間解放の大道を
勝利へ向け組織強化こそ

「解放新聞」(2013.03.11-2610)

 部落解放同盟第70回全国大会を、3月3、4日、東京・全電通ホールを主会場にひらき、代議員、中央役員365人が出席した。大会では、総選挙後の厳しい情勢をふまえ、人権・平和・環境・民主主義という人類普遍の原理を軸に、参議院選挙闘争に全力をあげ、改憲-戦争への道を阻止し、人権侵害救済法制度を求める闘いを再構築し、半世紀をむかえる狭山闘争に勝利するためにも、組織を強化することを誓い合った。組織の強化とは、なかまの要求、悩み、苦しみ、悲しみ、怒りをしっかりとつかみ闘いを組織することだ、と確認した。そして、ネット上の差別情報の氾濫や差別落書など悪質な差別事件の背景にある格差拡大社会・弱肉強食社会をなくすためにも社会連帯、協働のとりくみをすすめること、「プライム事件」の真相究明をすすめることも決定した。軍国主義時代に節を曲げず闘った解放の父・松本治一郎元委員長など先人の苦闘を受け継ぎ、部落完全解放-人間解放の大道を突きすすもう。

粘り強くとりくもうと
  大会では吉田副委員長が開会あいさつで、厳しい情勢のなかで部落解放運動が果たす役割は重要、とよびかけた。解放歌を全員で斉唱したあと、水平社宣言を山崎中執が朗読。議長団に雨宮祥子さん(東京)、丸本千悟さん(滋賀)を選出し、大会運営委員が紹介された。
  本部を代表して組坂委員長が、昨年の総選挙の結果、組織内の松本龍・顧問を落選させたばかりか、日本の進路が人権や平和から遠ざかり、戦争への道に向かっている、と現状を指摘しながら、こうしたなかで粘り強く「人権救済法」を求め、超党派の議員の組織化もはかり、狭山ではこれまで100点の証拠開示をかちとった成果を報告し、不当逮捕から50年の狭山の闘いの勝利なくしては部落完全解放の大道を切り拓けない、と檄を飛ばした。また、迫り来る参議院選挙での勝利も訴えた。
  来賓あいさつを、大谷暢顯(部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会会長、代読 麻生英城・真宗大谷派解放運動推進本部)▽山本幸三(自民党・衆議院議員―2日目冒頭)▽江田康幸(公明党・人権問題委員長、衆議院議員)▽石井一(民主党副代表、参議院議員)▽吉田忠智(社民党・政審会長、参議院議員)▽水谷雄二(日本労働組合総連合会副事務局長)▽加藤友康(部落解放中央共闘会議議長、日本労働組合総連合会副会長、情報産業労働組合連合会中央執行委員長)▽中山武敏(狭山事件再審弁護団主任弁護人)の方がたからいただいた。
  来賓紹介のあと、山岡義春・大会運営委員長が大会の成立を宣言した。松本龍・顧問が昨年の総選挙での全国的な支援へのお礼をのべ、「これからもみなさんと一緒に歩み続けたい」と決意を語った。
  その後、闘い半ばで死去した竹之内健次中央組織規律委員長(長野県連前委員長)、羽音豊元中央副委員長(福岡県連元委員長)にたいし黙祷をおこなった。
  石川一雄、早智子さん夫妻は、50年をむかえた今年こそ大きな前進を、と狭山再審闘争の支援を訴えた。
  報告事項を午前におこない、一般活動報告を岸田副委員長、財務・会計決算報告を西島中央財務委員長、会計監査報告を篠原中央会計監査委員、中央組織規律委員会報告を飯田中央組織規律副委員長がそれぞれおこなった。
  午後からは、提案事項として一般運動方針案を松岡中央書記長が、財務・会計予算方針案を西島中央財務委員長が、それぞれおこなった。
  その後、午後3時すぎから2分散会会場で運動方針案などをめぐって討議をおこなった。

5代議員が全体討論に
  2日目は、前日の討議をもとに各分散会の報告がおこなわれ、全体討論では京都、奈良、埼玉、大阪、福岡の5人の代議員が、▽戸籍等の不正取得事件の真相究明と本人通知制度▽TPP加盟反対を▽日本軍「慰安婦」問題▽リバティおおさかへの補助金カットにたいする支援を、などを訴えた。
  これらの討議をうけて、松岡中央書記長が分散会で出された意見もふまえ答弁と集約に立ち、本部の考え方を示した。
  採決に移り、報告事項、提案事項をそれぞれ賛成多数で採決した。
  大会スローガンを確認したあと、福田中執が人権侵害救済法制度の確立、高橋中執が狭山再審闘争の勝利に向けた決議、伊藤中執が大会宣言を、それぞれ読みあげて提案、採択された。
  議長団退任あいさつに続き、岸田副委員長が閉会あいさつ。組坂委員長の力強い団結がんばろうで2日間の大会を終えた。


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