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部落問題資料室
NEWS & 主張

事実を明らかに
まだ多くの不明さが存在
『週刊朝日』差別記事事件で話し合い

「解放新聞」(2013.04.08-2614)

調査や取材が不明で 嘱託記者出席求める
  『週刊朝日』差別記事事件で、2回目の話し合いを3月27日午後、東京都内のホテルで週刊朝日側とおこなった。前回の話し合いのなかでなお不明だった事実関係を解明することを主目的にしたが、まだ多くの不明点があることを示した。
  話し合いのなかで、当時の『週刊朝日』の編集長は、ライバル視していたのは『週刊新潮』『週刊文春』で、すでに両誌は大阪市長選の時(2011年)に出自を暴くという部落差別記事を書いていた、それが抗議され問題となったことも知らず、『週刊朝日』があとで同じことを書いても読者の信頼を失うので、より新しい、深い情報を掲載しようとした、すでに出自の問題が出ていたからハードルが下がったと思い、インパクトの強いものをということで、より攻撃的、侮蔑的なものになった、と答えた。この前提には、部落出身者をマイナスイメージでとらえてきたという認識が編集者にあったことも明らかになった。
  『週刊朝日』には、この差別記事が出る前、12年8月に(この時点で連載の取材が嘱託記者2人によってすでにはじまっていた)「橋下市長の親族が初告白」という3ページにわたる記事が掲載されている。ここには、橋下家の墓の写真、「はしもと」という姓の読み方の変更などが書かれており、この時点ですでに部落差別を売りものにしようとの意図が働いていたのではないかと指摘し、連載取材のためにデータを集めた嘱託記者2人から、どのような依頼を受け調査や取材をおこなったのかなど、事実関係を明らかにするためにも、話し合いに参加することを求めた。
  今回の話し合いには、組坂委員長、松岡書記長、赤井中執、和田中執、兵庫県連から坂本三郎・委員長(中執)、橋本喜美男・書記長はじめ関係府県の代表が出席、週刊朝日側からは河畠大四・週刊朝日前編集長(記事掲載当時の編集長)、尾木和晴・書籍統括、コンプライアンス担当者ら4人が出席した。
  事実を確認していくなかで、▽企画書もなく、全体把握者もいないなかで連載が開始された▽連載2回目のタイトルも決まっていなかった▽佐野眞一さんに橋本市長のことを書いてもらえば売れると思った▽家系図については、橋下市長の人間関係を調べていくなかで父親の出身地を教えてもらい、そこで古地図の写しをもらい、調査した。公的書類をとったという事実はない、ことが週刊朝日側から示された。
  中央本部からは、▽佐野さんがなぜ認識不足なのかということを明らかにし、反省を深めるためにも、連載2回目の原稿の中身を示してほしい▽つれあいの身元を暴くための取材ルートについても明らかにすることを求めた。
  最後に組坂委員長は、事実関係を明らかにし、信頼関係を取り戻し、ジャーナリストとして、依然として生きている差別を直視してもらいたいと語った。松岡書記長は、今回の問題を差別を見抜くステップにしてほしい、とのべた。

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