狭山事件50年のいまこそ狭山再審を求める世論を大きくしよう
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狭山事件第3次再審請求の第13回三者協議がまもなくおこなわれる。第12回三者協議以降の動きはつぎのとおりである。3月5日付けで、狭山事件を審理する東京高裁第4刑事部の小川正持裁判長が転勤し、後任に河合健司裁判長が着任した。さらに4月には残る2人の担当裁判官も交代し、今度の三者協議はまったく新しい裁判官のもとでおこなわれる。
弁護団は、1月の第12回三者協議で開示された証拠を分析したうえで、2月27日付けで証拠開示を申し立てた。それにたいして、検察官は3月27日付けで意見書とともに手拭い捜査にかかわる証拠など26点を開示した。一方、検察官は、弁護団が求めた脅迫状・封筒の筆記インクのⅩ線顕微鏡を使った科学的分析について実施する必要はないとする意見書も提出した。
弁護団は、三者協議にさきだって、5月2日に、手拭い捜査と「秘密の暴露」とされた自白の内容にかかわる捜査書類などの開示を求める2適の証拠開示申立書と検察官意見書に反論する法医学者などの鑑定書、意見書3通を補充書とともに提出した。また、脅迫状・封簡の筆記インクの鑑定を必要なしとする検察官意見書にたいする反論の意見書も提出し、再度、Ⅹ線分析器による鑑定を求めた。
次回の三者協議は、弁護団の求める証拠開示にどうこたえるか、脅迫状・封筒のⅩ線分析器を使った鑑定請求やOさんの証人尋問などの事実調べの要求について、今後裁判所がどう判断するかが焦点となる。
石川さんが半世紀も無実を叫び続け、35年以上におよぶ再審請求をおこないながらこれまで一度も事実調べがないことはあまりに不公平、不当である。狭山事件の事実調べ、再審開始を強く求めたい。
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狭山事件の第3次再審請求では、2009年9月に裁判所、弁護団、検察官による三者協議がはじまり、同年12月に東京高裁が検察官に証拠開示勧告をおこなっていらい、弁護団は証拠の精査や調査をふまえて証拠開示を求め、裁判所も柔軟に応じるよう促した結果、これまで120点をこえる証拠が開示された。その中には石川さんの逮捕当日の上申書や取調べテープ、初期の捜査報告書など重要な証拠が多くふくまれ、えん罪を示す新事実がつぎつぎと明らかになっている。証拠開示の重要性をあらためて確認しなければならない。
また、2010年に再審無罪となった足利事件いらい、布川事件、東電社員殺害事件とあいついだ再審無罪の教訓は、真実を究明し、えん罪を防ぐとともに誤判から無実の人を救済するために証拠開示と事実調べが必要だということであった。新証拠を必要とする再審請求で、弁護側への証拠開示を保障することは理念としても当然である。河合裁判長と担当裁判官に、あらためて、これまでの三者協議で証拠開示が積み重ねられてきたことをふまえるとともに、この間の再審無罪を教訓にし、狭山事件で徹底した証拠開示と鑑定人尋問などの事実調べをおこなうよう求めたい。
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狭山事件発生から50年をむかえて、5月1日には現地で集会がひらかれ前後して、マスコミは狭山事件をとりあげ報道している。5月13日には、狭山事件の再審を求める市民の会(代表・庭山英雄弁護士)が市民の集いを開催し、作家の落合恵子さんの講演などをおこなう。石川一雄さんが部落差別のなかで不当逮捕されえん罪におとしいれられて50年目の5月23日には、東京・日比谷野外音楽堂で、実行委員会主催の市民集会が開催される。
全国各地でも、狭山事件50年のとりくみとして、地元新聞への意見広告掲載や集会の開催などがおこなわれる。また、えん罪・狭山事件50年のパネルが完成し、貸出もはじまる。このパネルはより多くの人に狭山事件の真実と石川さんの無実を知ってもらうためのものである。全国で、集会などとあわせて「冤罪・狭山事件50年パネル展」を実施し、ひろく市民やマスコミにアピールしてほしい。フェイスブックやホームページで狭山事件を発信している人もいる。創意工夫をこらしたさまざまなとりくみで「狭山事件50年! いまこそ狭山事件の再審を!」という世論を大きくしていこう。
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