pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張

ネット上の差別規制へ
ネット差別対策会議が国へ要望

「解放新聞」(2013.05.20-2619)

 【大阪支局】インターネット上で同和地区の地名や所在地情報が流布され続けている問題で大阪府、市町村などでつくる「インターネット差別事象対策推進会議」がこのほど国への要望事項をまとめた。

法規範として明確化を
  不動産会社がマンションの用地取得や販売で、広告代理店や調査会社から、同和地区や同和地区をふくむ学校区の有無や評価について報告をうけていた土地差別調査事件をふまえて大阪府は、2011年、「部落差別調査等規制等条例」を土地差別調査行為も対象とするように改正した。一方でインターネット上では、依然として同和地区の地名や住所の一覧が自由に閲覧できる状況が放置され続け、さらにブログやツイッターを通じて、執拗に書き込みを続けている者もいる。そうした現状にたいして対策会議では、モデル条項で判断基準として具体的な事例(別項参照)を盛り込むとともに、すべてのプロバイダがこの禁止事項を契約約款にとり入れるよう国が業界の自主規制に方向性を与えるようなサポートを実施するよう要望していくべきだとまとめた。
  あわせて対策会議は、①インターネット上の行為が差別や人権侵害を引きおこしている事例を集める②電気通信事業4団体で構成する違法情報等対応連絡会に、契約約款禁止事項への具体事例を盛り込むよう働きかけをおこなう③各プロバイダにたいして契約約款の改正をおこなうよう働きかけをおこなう④プロバイダと一緒になって政府にたいしてプロバイダ責任制限法の改正を働きかける⑤これらのとりくみを被差別マイノリティやインターネット上の差別書き込みの被害者と一緒になってとりくむ⑥大阪の行政や企業、宗教団体などが参加する「人権政策確立要求実行委員会」のとりくみとして実施する⑦大阪だけの動きとせず「登録型本人通知制度」の運動のように全国化していくこと、などが重要だとした。

 モデル条項での例示(案・抜粋)
(禁止事項)
第1条 契約者は、本サービスを利用して、次の行為を行わないものとします。
(3) 他者を不当に差別もしくは誹誘中傷・侮辱し、他者への不当な差別を助長し、またはその名誉もしくは信用を毀損する行為。
(4) 前項の差別を助長する行為を例示すると、次のとおりである。
一 同和地区の所在地名や、同和地区の所在地であることが明記された特定の地区の地図等の所在地情報を掲示する行為。
二 人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障がい、疾病又は性的指向などを理由に、これらの共通の属性を有する集団や個人に対する排除や攻撃を呼びかける行為。


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)