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部落問題資料室
NEWS & 主張

公判で実態明らかに
依頼科値上げし不正続ける
戸籍等大量不正取得事件

「解放新聞」(2013.05.27-2620)

19年にわたり不正取得をくりかえす
  戸籍等大量不正取得事件で逮捕されている「群馬ルート」の首謀者、OとOの妻への公判が4月23日、名古屋地裁でひらかれ、被告人尋問がおこなわれた。
  O被告は、警察官を中途退職後、調査会社に就職し、行政書士の資格を取得して1992年に調査会社を立ち上げた。その後、不正が発覚しそうになったために東京行政書士会に廃業届けを出した2010年5月まで、戸籍や住民票の不正取得をくりかえしていた。当初は、行政書士会の請求書を一度に20冊購入するなど大量に買い求めて使用していたが、請求書購入が2冊に制限されてから、請求書の偽造をはじめた。また発覚を恐れて、依頼してくる探偵社には原本を渡さず、フィルターをかけた戸籍や住民票などを渡していた。
  被告人質問では、Oの妻がどの程度犯行に関与していたのかが焦点になったが、検察は印刷会社に請求用紙の偽造印刷を注文していたことなどの事実をあげ、Oの妻は違法行為を十分知っていたと指摘した。
  また、O被告は不正の発覚を恐れて行政書士を廃業したあと、T行政書士に名義貸しを頼んで不正取得を続けたが、市町村の窓口から頻繁にかかってくる問い合わせ電話にたいして、転送電話を使って自社で対応していた。そのさい、請求事由などをしつこく聞いてくる市町村の職員には、「交付できないのなら請求書を返してくれ」と返還を求めていた。プライム社の5人が逮捕されたときには、前橋市の探偵社の夫妻が上京して善後策を協議したが、4人は不正行為をやめないどころか、競争相手の逮捕で依頼が増えることを見込んで、それまで1件1万500円だった料金を1万2600円に値上げすることをきめ、違法行為を続けた。また、三重県鈴鹿市の職員が請求用紙の偽造を発見し、日本行政書士会に通報したときには、「大変なことになった。これで仕事がつづけられない」と動揺する社員にたいして、O被告が言葉をかけて慰めた。
  鈴鹿市からの通報後、O被告らは印刷物の偽造に細心の注意を払うようになり、印刷業者から刷りあがった請求書を職員と3人で細かくチェック、ナンバーリングの文字の大きさが違ったときは、刷り直しをしている。

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