戸籍等大量不正取得事件で逮捕されている「群馬ルート」の首謀者OとそのOの妻の公判が5月16日、名古屋地裁でひらかれ、被告Oはみずからが反省をのべた上申書のなかで「探偵業界では、不正取得は蔓延している」とのべ、身元調査が常態化している探偵業界のようすを語った。
被告0は上申書の中で調査業の実態について、「(戸籍や住民票などの)公簿がないと調査にならない」「公簿がないと調査業は成り立たない」と説明、「探偵業者はみんなやっている」と戸籍等の不正取得による身元調査の現状をのべた。「探偵業界の実能を暴露するのはなぜか」という弁護人の質問に、「このままでは反社会的勢力に取り込まれる恐れがある」とのべたうえで、みずからの犯行を棚に上げて、「不正取得による身元調査が常態化している調査業は、改革が必要だ」と語った。また、同和問題とは直接表現しなかったが、「明治時代から続いてきたような調査を求める人が多い」と同和地区にたいする身元調査の依頼の実態を語り、不正取得をなくすためには「国民も意識を変えていただきたい」とのべた。
公判ではそのほか、被告Oが、偽造した職務上請求書の販売が発覚しないように会員制の組織「Eネット」を作り、会員にだけ職務上請求書を販売していたことがわかった。
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