参議院選挙闘争に全力でとりくみ、改憲策動を阻止しよう
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安倍内閣の暴走が続いている。麻生太郎・副総理など3閣僚の靖国参拝をめぐる中国や韓国の批判にたいして、4月24日の参議院予算委員会で「わが閣僚はどんな脅しにも屈しない」などと反発し、参拝を容認する姿勢を明確にした。こうした時代錯誤の歴史認識が、国際的に適用しないことは、アジア諸国はもちろんのこと、米国議会調査局報告書をはじめ、欧州各国でも、アジア情勢を不安定にするという批判の高まりが示している。
さらに、4月28日に政府が主催した「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」も、この日を「屈辱の日」としてきた沖縄県民の反発はもちろんのこと、中国や韓国でも強く批判された。安倍首相は、こうした批判にたいしても「侵略という定義は学術的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかということにおいて違う」として、かつての侵略戦争への反省もなく開き直っている。
このように、安倍首相の国権主義的な歴史認識によって、日本はアジアや世界から孤立し、国際的な信頼を失っている。
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昨年12月の衆議院総選挙で、294議席を獲得した自民党は、第2次安倍内閣を発足させた。安倍内閣は、景気回復策を前面に押し出した「アベノミクス」によって、高い支持率を維持しながら、7月の参議院選挙で参議院での与党の過半数を狙い、「ねじれ」を解消しようとしている。
国権主義、反人権主義の言動によって、世界から孤立を深める安倍内閣が狙うのは、憲法改悪による「戦争のできる国」づくりだ。とくに、高い支持率を背景にして、参議院選挙前に、改憲の発議要件を定めた憲法96条を変更する法案提出の可能性にも言及している。
この法案の内容は、現行の衆参各院の「3分の2以上」を「2分の1以上」に緩和し、改憲の発議を容易にしようとするものである。自民党は、今国会に提出し、衆議院で継続審議し、参議院選挙の争点にしようとしている。この法案には、日本維新の会やみんなの党も賛成しているが、改憲手続きを先行することに批判が強い。改憲手続き条件の緩和の先には、戦争放棄の9条の改悪がある。みずからの言動で孤立を深める安倍内閣は、社会の閉塞感を巧みに利用して、武力を背景にした強権的な外交をすすめようとしている。
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部落解放同盟は、先の第1回中央委員会で、こうした政治情勢をふまえ、比例代表選挙については、政党名ではなく、推薦候補の名前を書いて投票することを決めた。この間、推薦依頼のあった候補者として、相原久美子(自治労)、石井一(民主党副代表)、大島九州男(民主党政調副会長)、神本美恵子(日教組)、又市征沿(社民党幹事長)、山城博冶(沖縄平和運動センター事務局長)、吉川沙織(情報労連)の各候補者を推薦することに決定し、重点地域も割り当てた。
今回の参議院選挙は、まさに憲法改悪につながる国権主義、反人権主義勢力を伸張させるのか、人権と平和、いのちと生活を守る政治を大きく前進させていくことができるかの分水嶺である。安倍首相に同調する日本維新の会の橋下徹・共同代表(大阪市長)は「戦争だったのだから、慰安婦制度が必要だ」と、まさに女性の人権をふみにじる許しがたい暴言をはいた。こんな政党に国会の議席を与えてはならない。
都府県連は、選挙区での推薦候補決定を急ぎ、比例代表選挙のとりくみと合わせて、すべての推薦候補を当選させるために、全力をあげて闘いをすすめよう。
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